トランプ大統領 コロナウイルス感染者の帰国に激怒

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トランプ大統領は、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」でコロナウイルス(COVID-19)に感染した米国人14人が、事前に相談なく帰国したことを知り、関係者に怒りをあらわにした。ワシントンポスト紙が報じた。

先週、集団感染が確認されたクルーズ船に乗船していた329人の米国人が、2機のチャーター機で米国に帰国した。検査結果が陽性だった14人の米国人については当初、日本に留まると発表されていた。しかしトランプ氏への相談なく、国務省と保健福祉省らの職員によってその方針は変更され、14人が健康な人と共にチャーター機で帰国した。

同紙によると、トランプ氏は、ミック・マルバニー(Mick Mulvaney)大統領首席補佐官代行と、国民政策審議会のジョセフ・ゴードン(Joseph Grogan)氏、アレックス・アザー(Alex Azar)米保健福祉省(HHS)長官に対し不満を訴え、役人らに多数電話をかけて、変更の説明を求めたという。トランプ氏は、感染者を帰国させることは、世界で大流行するウイルスに対する政府の対応を損なう危険性があると述べたという。疾病管理予防センター(CDC)も感染患者の帰国には反対していた。

国務省とHHSは、飛行機の中にプラスチックで覆われた囲いを設け、その中で14人を隔離した状態で帰国したと発表している。14人には症状は出ていないという。ニューヨークポストが独自入手した写真では、貨物輸送機の床に固定された椅子に乗客が座っており、その横に加圧式のバイオハザードコンテナが設置されている様子が写っている。

22日現在、全世界でコロナウイルスの感染者数は78,000人を超えている。中国本土の感染者は76,288人で死亡者は2,345人。米国の感染者数は35人で、1名の米国市民が中国で死亡している。

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