イギリスの伝説のバンド「クイーン」のコンピレーションアルバムの配信をめぐり、ヒットソングが”キャンセル”の被害にあったとして、保守派から批判の声が上がった。
子供向けの音声プラットフォームYotoは、ユニバーサルミュージックとのパートナーシップの第一弾として、ユーザーにクイーンのベストアルバム「グレイテストヒッツ」の販売を開始した。

楽曲リストには「ボヘミアン・ラプソディ」「フラッシュ」「伝説のチャンピオン」などロック史に輝く名曲の数々が並んでいるが、1981年のオリジナル版にあったヒット曲「ファット・ボトム・ガールズ」が削除されていることが判明した。
Foxニュースのコントリビューター、ジョー・コンチャ氏は「彼らは当時、政治的に不適切だったんだ」と振り返りつつ、「曲が存在しなかったというのは馬鹿げてる」と非難。「ブーメラン効果で、40年後にはかつてないほどダウンロードされるようになるだとう」と皮肉った。
英紙デイリーメールは「We Will Woke You!」とダジャレ付きの見出しで報道。ある音楽業界関係者は同紙に「業界内で話し合われていることだが、なぜこのような陽気で楽しい曲が今日の社会で受け入れられないのか理解できない」と疑問を呈した。さらに「ウォークは見境がなくなっている。社会がそうするべきだと言っているように、排除するのではなく、すべての見た目や大きさの人々を称賛したらいいのでは」と語った。
1982年のライブの様子↓
Queen plays Fat Bottomed Girls live in Milton Keynes in 1982. pic.twitter.com/spey2oZSu6
— Fascinating (@fasc1nate) August 21, 2023
Yotoのホームページには、保護者向けの注意書きが添えられており、「曲の一部の歌詞には、暴力や薬物への言及など、成人向けのテーマが含まれていることに注意してください」「汚いの言葉は含まれていませんが、お子様に向けて、またはその周りで再生する場合は、保護者による判断をおすすめします」と促している。
「ファット・ボトム・ガールズ」は1978年に「バイシクル・レース」の両A面シングルとして発表され、UKチャートで11位を獲得した。デイリーメールによると、歌詞やプロモーション素材が長らく議論のまとになっている。オリジナルのジャケットには裸の女性が自転車をこぐ姿が描かれたが、一部のレコード店が入荷を拒否するなどの事態を受けて変更が加えられた。
作詞・作曲を手がけたブライアン・メイは2008年の雑誌の取材に「フレッドを念頭に置いて書いたんだ。君たちもそうだけど、とりわけお尻の大きな女の子、または男の子が好きな偉大なシンガーを抱えているなら」と語っていた。
Yotoはユニバーサルとの提携にあたって、「子供たちが早期に音楽や芸術性と交流、体験する機会を向上し、自分の好きな音楽を探求できる真の自立を促す」と説明。今後数ヶ月以内に、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズといった有名アーティスト、モータウン・レコードやディズニー・ミュージック・グループといったレーベルの作品のリリースを予定していると発表している。