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「まるで小都市」プーチン大統領のスーパーヨットとは

プーチン大統領のものと噂される巨大ヨット「シェヘラザード」。「千夜一夜物語」の登場人物にちなんで名付けられた船舶の豪華すぎる内側を、英紙サンが報じた。

ヨットの建造に携わった人物は、同紙の取材に「全面が大理石か金で覆われている」と説明。数えきれないほどの設備を備えた「まるで小都市」で、「病院さえあるものだから、プーチンが末期ガン患者だという噂もうなずける」と語った。

シェヘラザードが完成したのは2020年。全長140mと世界最大級で、建造費は850億円ともいわれているが、一部では1,000億円を超えるとの指摘もある。プーチン氏が真の所有者とする噂は以前からあったが、公に確認されていない。現在、イタリアのトスカーナ沿岸にある小都市、マリーナ・ディ・カッラーラに停泊している。

同紙によると、ヨットには柔道ジムから、プールに切り替え可能なダンスフロア、滑り台&ジャグジー付きプール、ムービーシアター、スパ、サウナ、2つのヘリポートが備えられている。

このほか、自動的に水平を保つビリヤード台、全長5メートルの巨大水槽、壁一帯を覆う4.5メートルのテレビなどを完備。水道の蛇口からトイレのペーパーホルダーまでが金で覆われるなど、細部に至るまで贅沢が尽くされている。

単なるレジャー用とも言い難い。二つのヘリポートには、軍用ヘリが離着陸ができる。ヨット全体に最新鋭の警備システムを備えており、4つのレーダーによってドローンを撃墜することも可能だという。

一方のヘリポートの下には、ジェットスキー6台、ボート5艘、水中スクーター8台とともに、ヘリコプターを格納できるスペースが設けられているという。

プーチン所有説

ロシアの調査報道記者マリア・ペブチク氏と反汚職活動家のゲオルギー・アルブーロフは21日、所有者が公にされていない「シェヘラザード」について、プーチン大統領のものと示す重大な証拠をつかんだと発表。イタリア当局に、ロシアのウクライナ侵攻に伴う制裁措置として、ヨットを没収するよう求めた。

2人は収監中の反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏と活動をともにしている。

ペブチク氏らはYouTubeに投稿した動画で、シェヘラザードの2020年12月の乗組員名簿を入手したと明かし、イギリス人の船長を除いて、常任のクルーのほぼ全員がロシア人だと説明。続けて、リークされた渡航履歴から、これらの人物がミランに交代制で滞在していることが判明したほか、全員がプーチン大統領や重要人物の警護を担うロシア連邦警護庁(FSO)に所属していることがわかったと語った。

名簿に記された一等航海士、セルゲイ・グリーシン氏は、FSOの連絡者リストに名前が掲載されており、甲板長のアナトリ・フルテル氏の登録住所は、FSOコーカサス支部の住所と一致していることも判明したという。コーカサス支部はソチにある大統領公邸「ボチャロフ・ルチェイ」の警護を担当している。ボチャロフ・ルチェイは、プーチン氏のお気に入りの公邸で、夏に多くの時間を過ごし、ゲストを招くことも多い。2008年には、ジョージ・W・ブッシュ大統領が訪問している。

このほかにも船員らとFSOとの関連を挙げた上で、「シェヘラザードの真の所有者は、FSOに警護されている」と主張。船を直ちに没収するほか、ヨットの建造費やメンテナンス費用を誰が、どのように支払っているのか、情報開示を求めると語った。

ニューヨークタイムズによると、現地の捜査当局はすでに調査を開始している。ただし、英国人船長のガイ・ベネット氏は同紙の取材に「彼(プーチン氏)は一度も見たこともないし、会ったこともない」と話したほか、オーナーは制裁リストにないと答えるなど、船とプーチン氏との関係を否定している。

<2008年4月のソチ訪問時に撮影された映像。プーチン氏とブッシュ氏がフォークソングに合わせてダンスしている>

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