プーチン氏側近の8歳娘がロンドン高級住宅の所有者に

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プーチン大統領に近いとされるロシアのオリガルヒ(新興財閥)が、自身の8歳の娘の名義で英ロンドンの高級住宅街に数百万ドルの物件を所有していることがわかった。米インサイダーが、汚職撲滅を目指す非営利団体「Transparency International」の資料を元に伝えた。

娘名義の物件があるとされるのは、実業家から政治家に転身したウラジミール・グルゼデフ氏。食料品店業界の大物として財をなし、フォーブス誌による2021年の推計資産総額は、9億ドル(約1200億円)とされている。2010年にプーチン氏の側近として取り立てられたという。

問題の物件はグルゼデフ氏が2000年に「タックス・ヘイブン」として知られるケイマン諸島の会社を通じて、230万ポンドで購入した。現在の価値ではインフレ調整後の価格で490万ドル(約6億5000万円)に相当する。一部の不動産価値査定サイトでは1000万ドル相当とも言われるが、正確な価値は明らかになっていない。

高級住宅地として知られるケンジントン地区にあり、駐車スペースやメイドルームもある。各国大使館、ロイヤル・アルバート・ホール、ウィリアム皇太子とキャサリン妃の邸宅などが、半径600ヤード(約550m)以内にあるという。近隣地区には通称「赤の広場」とも呼ばれる、ロシアのオリガルヒらが高級物件を所有するエリアがある。

物件の名義がグルゼデフ氏の娘に変更されたのは昨年2月、ロシアがウクライナ侵攻を開始する20日前だった。グルゼデフ氏はウクライナの制裁対象とされているが、欧米諸国の制裁対象にはなっていない。

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ロンドンの「赤の広場」とは?

ベルグレイヴィア地区の超一等地イートン・スクエアは近年、ロシアのオリガルヒやハイテク起業家がこぞって物件を所有するようになったことから、「赤の広場」と称されるようになったという。

かつてサッチャー元首相、ショーン・コネリー、ケイト・ウィンスレット、エルトン・ジョンなどそうそうたる顔ぶれが居を構えたという同地区には、ロマン・アブラモビッチ氏、ロシアアルミ大手ルサールの創業者オレグ・デリパスカ氏、ロシア国営のガス大手ガスプロムの会長、アンドレイ・ゴンチャレンコ氏といった富豪らが不動産を所有している。

ガーディアンによると、2008年にゴールデンビザ制度が導入された後、こうしたロシア人富豪が多く移り住むようになったという。同制度は、少なくとも200万ポンドを投資すれば、居住権取得の早道が得られるというもので、2008年から2015年の間に取得した3,000人のうち700人がロシアの富豪だった。昨年2月、ロシアがウクライナ侵攻を開始する数日前、当時の内務大臣、プリティ・パテル氏は「国家安全保障を脅かし、汚れた金をわれわれの都市に押し付ける腐敗したエリート」を阻止するため、制度を即時停止すると発表した。