NY州知事選に異変、共和党リー・ゼルディン氏が猛烈追い上げ

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中間選挙を3週間後に控え、民主党の牙城ニューヨーク州で、共和党の知事候補リー・ゼルディン(Lee Zeldin)下院議員が、現職のキャシー・ホークル(Kathy Hochul)知事を猛烈な勢いで追い上げている。

シエナ大学が18日に公表した世論調査では、両者の差は1カ月で17ポイントから11ポイントまで縮まった。クイニピアック大学の調査では、ホークル氏のリードは、わずか4ポイントだった。21日に公表されたco/efficientの調査では、誤差の範囲内だが、ゼルディン氏(45.6%)がホークル氏(45.3%)をわずかに上回った。9月に実施した調査では、ホークル氏が6ポイント上回っていた。

ゼルディン氏が、リードしているのは郊外の選挙区。シエナ大学の調査では、郊外の有権者の支持率は49%で、ホークル氏を4ポイント上回った。

クイニピアックでは1%リードした。同世論調査では、共和党支持者と無党派層は、犯罪対策を最重要の課題とみなしており、次いでインフレ、民主主義の保護を優先順位として掲げている。

ゼルディン氏は「われわれの州を救え」をスローガンに抱え、治安の改善を中心に選挙キャンペーンを展開。今月9日、サフォーク郡にある自宅の前で起きた発砲事件で、17歳の少年2人が負傷したことも、注目を集める要因となった。

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7月には、チェスター郡で選挙演説中、PTSDやアルコール依存症を患った退役軍人からゼルディン氏が襲われる事件があった。幸いゼルディン氏にけがはなかった。

今月15日、トランプ前大統領が自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、ゼルディン氏の支持を表明した。トランプ氏は「長い間彼とは知り合いだが、素晴らしい優秀な弁護士で、法制化を妨げていた複雑な法的問題のあった議会において、”必見”の人物だった」と称賛。「国境や犯罪対策、軍人や退役軍人の保護に強い姿勢で臨み、銃を持つ権利を守るために懸命に戦ってくれるだろう」と期待を語った。

2015年に下院議員として初当選したゼルディン氏は、現在の刑事司法制度を批判しており、当選した場合、就任初日に進歩派で知られるマンハッタン地区のアルビン・ブラッグ検事を解任すると約束している。

一方のホークル陣営は、ゼルディン氏がトランプ氏の盟友で、厳格な銃規制に反対し、過去に中絶禁止を支持した点を攻撃材料としているほか、2020年大統領選の結果を覆す企てに関与していたと批判するネガティブキャンペーンを展開している。

▲セクハラの訴えを受け辞任したクオモ知事の後任を引き継ぎ、ニューヨーク州で初の女性知事となったキャシー・ホークル氏

ニューヨークタイムズは18日、ニューヨーク州では、政党別の登録有権者に関して、民主党と共和党の割合が2対1であることや、ホークル氏は潤沢な選挙資金を有すると指摘。クイニピアックの調査を除いて、マリスト大学やFiveThirtyEightなど他の世論調査結果では、ホークル氏が「いささか堅実なリード」を保っていると伝えている

なおゼルディン氏が当選した場合、ニューヨーク州で共和党候補者が知事選に勝利するのは、2002年以来となる。