ロシア 炭疽菌感染者が病院から脱走する

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ロシアのタス通信は18日、シベリア南部にあるトゥヴァ共和国で、炭素菌に感染した患者5人のうち4人が、治療を拒み入院していた病院を許可なく離れたと伝えた

公衆衛生当局は、5人とも健康状態は良好だが、衛生規則では皮膚の症状が完治しない限り退院が許されないと説明。「人から人への感染は極めて珍しいが、皮膚の潰瘍が完治していない場合は感染の恐れがある」と警戒を促している。

先月末、トゥヴァ共和国の検事長は、バルン=ヘムチクスキー地区にある村で、羊の放牧場を訪れた村民が感染したと明らかにし、今月6日にも、4人が炭疽症を患ったことを確認していた。

放牧場には100頭を超えるワクチン未接種の羊がおり、4人の子供を含む6人が暮らしているという。

ロシアでは2016年に炭疽の集団感染があり、数十人が入院、子供が1人死亡した。

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NPRによると、感染が拡大したのはシベリア北西部のヤマル半島で、2,000頭を超えるトナカイに感染が確認され、住民の一部を空路で移動させたという。

発生源は明らかになっていないものの、熱波により永久凍土が溶けたことで、75年以上前に炭疽菌で死亡したトナカイの死骸が地表に浮上した説が有力だという。

北極圏にあるヤマル半島は厳しい寒さで知られ、場所によって永久凍土の厚さは300メートルに達するという。