ウーバー運転手は独立請負業者 – 全米労働関係委員会が見解

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全米労働関係委員会(National Labor Relations Board)は14日、ウーバーの運転手は独立請負業者であるとする意見書を公開した。

委員会の顧問弁護士のJayme L. Sophir氏は、ドライバーは自動車とスケジュールを自ら完全に管理しており、さらにログイン場所の選択や競合他社の運転として仕事をする自由があるなど、”著しい起業の機会”を保持しているとし、コモンローに合わせて考察すると、”独立請負業者”に該当すると結論を述べた。

請負業者は一般的に、従業員のように有給休暇や健康保険、労働者災害補償などのベネフィットを与えらない。また労働組合を結成し、使用者と交渉にあたる権利も保障されていない。

ウーバーやリフトはこれまで、ドライバーは社員ではなく、請負業者に分類されると主張しており、委員会の見解は、これらギグ・エコノミー企業の主張を後押しするものとなる。

また委員会の見解は、労働局が今月公表した見解とも一致する。労働局は意見書で、従業員ではなく独立請負業者とみなされるため、消費者とサービス提供者を繋ぐ「スマートフォンベース」のビジネスは、連邦最低賃金や超過賃金を含む、手当を提供する必要がないと述べた。

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ギグワーカーと企業の対立~政治課題へ

今月9日、ウーバーやリフトの運転手らは労働条件の改善や賃金の上昇を求め、全世界で大規模なストライキを実施した。ニューヨークタクシー労働者組合(NYTWA)トップのバイラビ・デサイ(Bhairavi Desai)氏はニューヨークの集会で、「UberはIPOで時価総額が数千億ドルとなる一方、世界中の運転手は最低賃金を得ることさえままならない。」とUberを批判。運転手の雇用の保障や、手数料の上限の設定、最低賃金28ドルを求め、今日は始まりにすぎないとして、対決する姿勢を示した。

著名な議員もドライバーらの反対の声に加わった。2020年大統領選の民主党候補の一人、バーニー・サンダース(Bernie Sanders )上院議員(無所属・バーモント州)は、サンフランシスコ・クロニクルに投稿した論説で、ドライバーのストライキを支援し、ギグエコノミーから労働者を保護するため、現政権を打倒すると表明。大統領選の議論に据える意向を示した。

CNBCによると、フリーランスの増加率は、米国全体の労働力の増加率を3倍上回るペースで成長しており、2027年には、独立して働く人口がマジョリティーとなる可能性がある。ダラス連銀は先月、ギグエコノミーの成長は、インフレ率や賃金上昇率といった主要指標に影響を及ぼしているとするなど、経済全体に対する影響の拡大を指摘している。