日本が再成長するには?日米で活躍する女性たちがディスカッション

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マンハッタンにある日本クラブでは9日、国際女性デーにちなみ、米国と日本で活躍する女性たちによる「【海外から日本はどう見えてる?】ニューヨークで働く私たちの視点」と題したパネルディスカッションを開催した。

現地会場には、米国コロンビア教育大学院で認知科学を学ぶ、”ビリギャル”の主人公で知られる小林さやかさん、ディメイ美代子さん(Tiffany Co. Japan Inc. 前代表取締役社長)、大塚泰子さん(IBM Corporation パートナー)が登壇。日本からは、株式会社サンリオエンターテイメントの小巻亜矢代表取締役社長、株式会社ポーラの及川美紀代表取締役社長、日本に一時滞在中のジャーナリストの渡邊裕子さん(HSWジャパン共同経営者、株式会社サイボウズ社外取締役)がオンラインで参加し、「日米の働き方や生活・価値観の違い」、「日本が再成長するために」の二部構成で、意見交換を行なった。

第一部では、渡邊さんがまとめた「ニューヨークで生き残るための10の法則」を紹介。「以心伝心はないと思え」「必要とあれば喧嘩を厭わない」「ビッチと呼ばれることを恐れない」「自分のことは自分で決める」など、30年におよぶ米国でのキャリアで培った教訓を語った。

小林さんは、「日本人には自信のなさ」があると指摘。「日本の違いを良しとしない文化と失敗を許さない文化」が「自分なんてどうせという気持ちにさせている」と語り、子供たちの自己肯定感を高める教育が必要だと話した。

ディメイさんは、米国人は「褒めて育てる人がすごく多い」と話し、職場では「自分を褒めて、周りを褒めて仕事をさせましょう」と話してきたと振り返った。

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小巻さんは、「喧嘩を恐れない」は日本においても必要だとした上で、その先には対話によって接点を見出し、関係性を構築することが大切だと語り、そこでは、国籍に関係なく、柔軟性に優れている女性の強みが発揮できるのではないかと話した。

及川さんは、ニューヨークの10の法則は、会社を変革していける人材に必要なことでもあると指摘。日本には「自分で決める」ができない人が多いと述べ、主張や喧嘩をする上でも、それが「1番の根本」だと話した。

後半の日本の再成長に向けたディスカッションは、マインドセットの話しに重点が置かれた。小林さんは、子供達を中心に「能力や知性は努力で変えていけると信じるグロースマインドセット」を育む環境に変わっていけると良いと語った。小牧さんは、モチベーションがキーだと話し、「対話によって自信を引き出す」企業文化が大切だと述べた。渡邊さんは「出る杭を打たない」社会になっていくと、「それぞれの良いところを伸ばせ、いろいろな形の幸せを求められる社会」になると話した。

大塚さんは、社会や男女の役割など「こうあるべき」と考える思考から脱却する必要があると述べ、及川さんは、それぞれが「未来に向けての自分の意思を持ち、それを元に対話をしていく、対話を経て連帯していくことが日本を変えるために必要だ」と締めくくった。