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ニルヴァーナ「ネヴァーマインド」ジャケ写訴訟 却下に

ニルヴァーナの1991年のアルバム「ネヴァーマインド」のジャケット写真のモデルの男性が、裸の写真を使用され、性的搾取の犠牲になったとしてバンドメンバーらを訴えた訴訟で、カリフォルニア州中部地区の連邦裁判所は3日、被告側の却下の申し立てを認めた。

被告の申し立てに対し、原告が期限内に異議申し立てをしなかったため。

問題のジャケットは、水中で泳ぐ赤ちゃんの前に1ドル札が吊り下げられた画像。撮影当時、生後4ヶ月だったスペンサー・エルデン氏(30)は昨年8月に提出した訴状で「被告は、商業児童ポルノを作成、所有、宣伝し、対価を得た」と主張。アルバムに関連づけられたことで、精神的な苦痛や生涯にわたる収入の損失など「永久的な害」を受けたとして、15人の被告に対してそれぞれ15万ドルの損害賠償を求めた。

被告には、ニルヴァーナの元メンバー、ドラムのデイブ・グロールとベースのクリス・ノヴォセリック、コバーンの妻で遺言執行者として遺産を管理するコートニー・ラブ、ジャケ写を撮影した写真家、カーク・ウェドルらが含まれる。

被告側が却下を申し立てたのは先月22日。同案件はすでに時効を迎えていると指摘し、原告が訴訟に動くのが遅すぎたことは「致命的だ」と主張した。児童ポルノの主張について、「真剣味がない。写真を見るだけでも分かるし、エルデン氏自身の説明(言うまでもないが、エルデン氏の理屈によれば、この写真を所有する数百万の国民が児童ポルノ所有罪に問われてしまう)からも明らかだ」と反論。ジャケ写のイメージは「欲深さや純粋さといったテーマ、そして西洋アートに描かれるケルビム(翼の生えた裸の赤ちゃん)のモチーフを表現したもの」と主張した。

さらに「(原告は)30年間にわたって『ニルヴァーナ・ベイビー』の呼称を自ら名乗り、セレブとして大きな利益を得てきた」とした。

同アルバムの15周年、25周年の際、エルデン氏は成長した自分の姿を写した再現写真の制作に自ら参加していた。

なお判事は、「最後の機会」として、原告側からの修正訴状の提出を1月13日まで受け付けるとし、これを超えた場合は完全に却下されるとした。ニューヨークタイムズによると、エルデン氏の弁護士は、提出が間に合わなかったのは、却下申し立てに対する返答期限に関して「混乱」があったためだとしており、修正訴状を期限内に提出する意向を示しているという。

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