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ウィル・スミス自伝映画 ネトフリとアップルが入札撤退 ハリウッドの矛盾指摘する声も

先日のアカデミー賞授賞式でのビンタ騒動が物議を醸しているウィル・スミス(53)。今後のハリウッド俳優としてのキャリアを危ぶむ声が上がる中、動画配信大手がウィル・スミス関連の作品の権利獲得に後ろ向きになっている様子が報じられた。

英紙The Sunは3日、関係者の話として、ネットフリックスとアップルがウィル・スミスの自伝映画の権利獲得から相次いで手を引いたと伝えた。両社はその分の資金を別の黒人俳優のオリジナル企画に充てるという。「ウィルと仕事をすることは、今やリスキーなビジネスになってしまった。彼ら(配信会社)は、マイク・エップスやマイケル・B・ジョーダンといった、ファミリー向けのスターを起用した企画を進める計画だ」と関係者は話した。

ウィル・スミスは1990年代に放送されたシットコム「ベルエアのフレッシュ・プリンス」でブレイク。アクション映画「バッドボーイズ」シリーズや「メン・イン・ブラック」でハリウッドスターの地位を不動のものにした。自伝をもとにした新作映画については、先月、配信各社が権利獲得をめぐって、数千万ドル規模の争奪戦を繰り広げていると報じられたばかり。自伝は昨年発表され、ベストセラーとなっていた。

ウィル・スミスは先月27日のアカデミー賞授賞式で、プレゼンターを務めていたコメディアン、クリス・ロック(57)が、スミスの妻のジェイダ・ピンケット・スミス(50)の坊主頭をからかったことに憤慨し、平手打ちを食らわせた。ジェイダが剃髪にしているのは円形脱毛症のためだが、ロックはジェイダに対し、「G.I.ジェーン2を見るのを待ちきれないよ」などと、デミ・ムーアが頭を剃って軍人を演じた映画を持ち出し、笑いのネタにした。

こうした背景からスミスに同情を寄せる声も少なからず出ているが、壇上で暴力を振るった代償は大きく、今月1日、アカデミー賞の主催団体、映画芸術科学アカデミーの退会を自ら申し出た。自身の行動については「言い訳できない」と謝罪した。

アカデミーは退会の申し出を受理したが、騒動に関しては引き続き処分を検討しており、今月18日に開催する理事会で裁定を下す可能性を示唆している。

また、製作側でもウィル・スミスと距離を置く動きが目立っており、情報筋によると、「バッドボーイズ」第4弾の製作や、スミス主演のネットフリックス映画「Fast and Loose」の企画も中断されているという。

ハリウッドの矛盾指摘する声

ネットではウィル・スミスの振る舞いを非難する一方で、相次いでキャンセルに動くハリウッドの矛盾を指摘する声が上がっている。

あるユーザーは「ウィル・スミスが平手打ちしたのは知ってるけど、ハリウッドが彼のキャリアを終わらせようと素早く行動していることは本当に衝撃だ。(中略)多くの虐待者が、もっと悪いことをして責任を取らされず、キャリアを維持しているのに、これはちょっとやりすぎだと思う」と投稿。

別のユーザーは、3日に開催されたグラミー賞授賞式を指して「みんながウィル・スミスのクビを要求したり、またはキャンセルカルチャーを憂いたりしている間に、ルイス・C.K.がグラミーを獲得した。シスジェンダーの白人男は責任をとらされないってことね」とコメントした。このほか「これらの人々が、ロマン・ポランスキーがやったことに耳を傾けるのを待っている」といったも上がっている。

ベストコメディー賞を受賞したルイス・C.K.は5年前、複数の女性から、目の前でマスターベーションをするなどの性的不適切行為をはたらいたとして告発され、自身も疑惑を認めている。

ポランスキー監督は、1977年に13歳の少女と違法に性的関係を持ったとして有罪となったが、翌年、禁錮刑が長引くのを恐れて米国外へと逃亡した。それにもかかわらず、2003年のアカデミー賞では、映画「戦場のピアニスト」で監督賞を受賞した。授賞式はハリソン・フォードが代わりに出席し、スタンディングオベーションで迎えられた。なおポランスキー監督は2018年に、映画芸術科学アカデミーから除名された。

映画芸術科学アカデミーの理事会の元メンバーで、大御所女優のウーピー・ゴールドバーグはトーク番組「The View」で、「ルイス・C.K.とカニエ・ウエストがグラミーを獲得し、一部の人は問題にしているけれど、先週のショー(アカデミー賞授賞式)ほど物議を醸していない」と指摘。

続けて「ウィル・スミスの今後のいくつかのプロジェクトが疑問視されているが、問題は彼が復帰できる道があるかということだ」と述べた上で、「もちろん彼は復帰する。大丈夫だ。戻ってくる。心配ない」と語った。

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