ブルームバーグ前NY市長 2020年大統領選に出馬せず

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マイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)前ニューヨーク市長(77)は5日、ニュースサイトブルームバーグに寄せた論説で、2020年大統領選挙に出馬しない意向を表明した。

ブルームバーグ氏は次期大統領選挙について「ドナルド・トランプに勝利する最も強いポジションにいる民主党員を擁立すること」が肝心だと述べ、予備選で党を極端な方向へ導くことは、総選挙での勝利を逃し、トランプ大統領の再当選につながる、と民主党候補者が急進的な傾向にあることに懸念を示した。

自身が出馬しない理由としては、本選挙でトランプ氏に勝利する自信を示しつつ、民主党候補者が混戦状態となる中、予備選での勝利が困難であることを挙げた。

また今後2年間の現政権のもとで、気候変動や銃暴力、オピオイド問題、公立学校、高騰する大学の学費などの最大の国家的問題が悪化すると考えを述べ、勝利の見込みのない選挙活動に労力を費やすよりも「実質的で有益な結果をもたらすことができる」仕事を継続することが、国を救う最良の方法であると語った。

自身の取り組みとしては、2011年に立ち上げた”Beyond Coal”とよぶクリーンエネルギーの推進活動を挙げ、今後11年間で石炭火力発電所をすべて廃止できるよう活動の支持拡大を図ると同時に、石油とガス燃料から100%クリーンエネルギーに可能な限り早く移行させるための草の根レベルの努力を行うと述べた。

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ブルームバーグ氏と同様に、100%クリーンエネルギーの達成を目的としたアレクサンドリア・オカジオ・コルテス議員らが唱えるグリーン・ニューディールについては、今後2年間で上院を通過する可能性はないと、実現性に疑問を呈し、「私と同じく、母なる自然は政治暦を待ってはくれない」と語った。

銃規制については、先週下院を通過した身元確認の厳格化に関する法案を「共和党上院議員が実質的に阻止することを保証している」と成立が現実的でないと述べた。一方で、過去数年に渡って組織し、力を結集してきた強い草の根の努力により、20州で身元確認の厳格化や危険な人物から銃を遠ざける法案が通過したと述べ、残りの州に対して継続的に活動を行う意向を示した。

最後に「大統領として仕えること以上の名誉はないが、市民としての私の義務は、今、私ができる最良の方法で国を助けることだ」と締めくくった。

ブルームバーグ氏はこれまでに、2008年と2012年、2016年の3回、独立した第3党から大統領選への出馬を検討している。2016年大統領選では、事前調査の結果、勝利するのは難しいと結論付け、出馬を取りやめた。
昨年11月の中間選挙で、民主党員に登録したことから、一部メディアが2020年大統領選に民主党から出馬する予定だと報じるなど、出馬への期待が高まっていた。