「寝ている間に絞殺」ギレーヌ・マクスウェルに暗殺計画か、弁護団

408

昨年末に未成年者への性的人身売買の罪などで有罪評決を受けたギレーヌ・マクスウェル(60)。弁護人によると、収監中の刑務所で、同房者が暗殺を計画していたという。NBCニュースが伝えた。

故ジェフリー・エプスタイン元被告の元恋人で、仕事上のパートナーだったマクスウェルは、未成年の少女らを勧誘、手なずけ、エプスタインによる性的虐待を助けたとして、2020年7月に逮捕、起訴された。翌年11月にはじまった裁判で5つの罪で有罪となった。

弁護団は、今月28日の量刑宣告を前に裁判所に提出した資料の中で、「マクスウェル氏がいる部屋の同房者の一人が、少なくとも3人の囚人に、殺害に金を提示されていて、寝ている間に絞殺する計画をしているとを明かした」と説明。提示金額は、追加20年の刑を受けるに値するほどの大金だと話していたと記した。「この事件は、多くの囚人が、富、名声またはストリートの信頼を得るためなら、マクスウェル氏を殺害することも厭わないという残酷な現実を反映している」と主張した。

弁護団によると、暗殺を計画した囚人は特別房に移されたという。

連邦政府の刑務所を監督する連邦刑務所局の報道官は、係争中の事件や、法的手続き対象になっている事案について答えることはできないとして、コメントを差し控えている。

Advertisement

マクスウェルは、最大で禁錮55年の刑が言い渡される可能性がある。弁護団は今回提出した資料で、裁判所の保護観察部門が推奨する20年未満の刑を科すよう判事に求めた。

資料では「エプスタインにふさわしい規模の量刑が科されるのは、正義の曲解」と主張。「エプスタインが首謀者だ。エプスタインが主たる虐待者で、自己欲求を満たすために犯行を画策した」「ギレーヌ・マクスウェルは、30年以上前にエプスタインに出会うという不幸がなければ、ここにいることはなかった」と述べているという。

マクスウェルは英国のメディア王で、ヨットから転落して死亡したロバート氏の末娘。エプスタイン元被告との出会いは、父親が死亡した1991年だったと自ら明らかにしている。

2019年7月に少女らを性的搾取の目的で人身取引したとして、逮捕・起訴されたエプスタイン元被告は、同年8月にマンハッタンにある連邦政府の矯正施設で、意識不明の状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。ニューヨーク市検視局はその後、首吊りによる自殺と断定した。しかし、政財界の大物とのつながりや、死亡時刻に看守2人が居眠りをしていたなどの不可解な状況から、現在も他殺の可能性を指摘する声が絶えない。