トランプ前大統領に批判的なことで知られるメリーランド州のラリー・ホーガン知事(共和党)が24日、ABCニュースの討論番組「This Week」に出演。9月にも大統領選に出馬表明すると囁かれるトランプ氏が、今年の中間選挙に与える影響を危惧した。

番組でホーガン氏は、トランプ氏が今年の中間選挙の投票日に先駆けて2024年の大統領選に出馬表明した場合について、「共和党知事協会のメンバーと話し合った」とし、「トランプ氏が今出馬を表明した場合の党に与えるダメージを、多くの人が強く懸念しているようだ」と語った。そして「レッドが根強い(共和党)州や地区にとってはプラスになるかもしれない。だが、激戦区や(共和・民主が拮抗する)パープルの地区では、トランプ氏の早期の出馬表明は、我々が議席を失う結果をもたらすかもしれない」と懸念を示した。

今のところトランプ氏は、2024年の次期大統領戦に出馬する意向を明確にしてはいないが、何度となく出馬をちらつかせ、支持者らに向けてトランプ氏が下した決断に「大変満足することになる」などと、立候補に前向きな様子をほのめかしている。早ければ9月にも正式に次期大統領選への立候補を表明すると、複数のメディアが報じている。

トランプ氏の出馬表明によって、本来共和党が中間選挙で争点とするバイデン大統領への攻撃や、インフレ懸念、ガソリン価格の問題に集中できなくなることを懸念する声も党内から出ているという。

トランプ氏の元では共和党は敗北の一途だとホーガン氏は指摘。「トランプ氏が率いた共和党はすでにホワイトハウスから追い出され、連邦議会の上院でも下院でも少数派に成り下がった。今度は彼のせいで、共和党は知事の席や上院の議席を奪われてしまう」と話した。

ホーガン氏は同じ共和党でもトランプ氏に批判的な立場で知られ、今月NBCのインタビューでは「トランプ氏が2024年の大統領選に出馬しないことに望みをかけている」などと話していた。「国民の大半が極左と極右の争いに疲弊している」としたうえで、自身の大統領選出馬の可能性についても「出ない方がいいと思う理由はない」と含みを持たせた。

メリーランド州は本来民主党の地盤で州議会も民主党が多数派だが、共和党のホーガン知事は中道的な立場を取ることで安定した支持を得てきた。来年の任期満了に伴い、中間選挙では中道派のケリー・シュルツ候補を自らの後任として支持したが、先週の共和党予備選挙でトランプ氏が支持するダン・コックス候補に敗れた。Qアノンとの関係も取り沙汰され、極右と位置付けられるコックス候補の勝因についてはトランプ氏の支持以外に、民主党がコックス候補のネガティブキャンペーンを張ったことがかえって知名度を押し上げ裏目に出たという指摘が出ている。

トランプ氏が実際に次期大統領選に出馬するかどうか、可能性は「フィフティー・フィフティーだ」とホーガン氏は言う。「彼の自尊心を考えると、再び敗北することには耐えられないだろう。結局のところ、彼はジョー・バイデンに敗れた。これは彼にはつらかったはずだ」と、敗北を恐れて出馬しない可能性も示唆した上で、「しかし彼は注目の的であることが大好きだ」とした。