バイデン氏高齢懸念で浮上、カマラ・ハリス2024はアリ?

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高齢のバイデン氏の大統領職への適正をめぐる疑念は、無視できない問題になりつつある。

ニューヨークタイムズのコラムニスト、デビッド・フレンチ氏は、11日に掲載のオピニオン記事で、先週公表された特別検察官レポートとその後の反論会見に触れ、11月の大統領選に懸念を表明した。

「バイデン氏がトランプ氏よりもはるかに良いのはわかっている」とした上で、それは「今後とも彼が国内外の深刻な問題に明晰さとエネルギーを持って対処し続けることを意味するものではない」と主張。「彼が2期目を終えると期待できることを意味するものではない」「11月にトランプに勝てるという意味ではない」と続けた。

バイデン氏が機密文書を自宅や事務所に保管していた問題で、メリック・ガーランド司法長官から特別捜査官に任命されたロバート・ハー氏は、8日に公表された調査報告書で、刑事訴追を見送るべきとする一方で、記憶力の問題に言及。検察のインタビューに応じたバイデン氏は、副大統領の時期や長男の死亡時期を思い出せないほど「記憶が著しく限られていた」と明かした。聴取に応じる様子は「同情的で善意に満ちた記憶力の弱いお年寄りの男性」だったと述べ、「故意の立証を必要とする重大犯罪で有罪判決を受けるべきだと陪審に納得させるのは難しい」と指摘した。

バイデン氏は数時間後に会見を開き「私の記憶に問題はない」と反論したが、中東問題をめぐってエジプト大統領とメキシコ大統領を言い違えるといった失言を重ねた。

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フレンチ氏は、バイデン氏が今後ともミスや失言を続け、公に自己の能力低下を否定できないのであれば、「それは、異なる対応を検討する時だ。バイデン氏は退くべきだろうか?」と問いかけた。

米政治サイトのポリティコは、民主党は交代を見据えたバックアッププランを用意するべきと警告した。

同サイトの編集者らは、政治的なハードルがあるとしつつ、夏の党大会でバイデン氏以外を指名するか、その後の総選挙に向けて代替候補を擁立するシナリオを想定することも可能だと主張。あくまでもバイデン氏が尊厳を保ちながら辞退することが前提としつつ、予備選で十分な代議員を獲得したバイデン氏が党大会で指名を拒否し、後任候補への支持を表明すれば、バイデン支持を誓った代議員らはこれに従う可能性が高いと見解を示した。

カマラ・ハリス問題

仮にバイデン氏が辞退した場合、ナンバー2を後任として支持するのが自然だが、党内からはカマラ・ハリス氏擁立に懐疑的な声が上がっているという。

レーガン政権とブッシュ(父)政権時代にホワイトハウスでライターを務めたダグラス・マッキノン氏は、The Hillに「民主党はカマラ・ハリス問題を抱えている」と題した論説を投稿。「複数の民主党幹部と話をしたが、ハリス氏を望んでいる者は一人もいなかった」と説明し、昨年ワシントンポスト紙によって報じられたハリス氏の当選可能性をめぐる党指導者らの懸念は「確実に高まっている」と主張した。

バイデン氏が失言ならば、ハリス氏は数々の会見における「ワードサラダ(無意味な言葉の羅列)」が信頼低下を招いているとの批判を受けている。就任以来、支持率は低下を続け、FiveThirtyEightの各種世論調査の集計によると、不支持が53.5%で、支持37.5%を16ポイント上回っている。

マッキノン氏は「”ワードサラダ”と”認知の問題”は、バイデン氏もハリス氏も任務に耐えられないということで、一部の民主党員の間で本当のパニックを引き起こしている」とし、「潜在的なパニックに陥っている民主党は何をするべきか?答えは一つ。党と国家の最善の利益のために選挙から撤退するべきとハリス氏を説得することだ」と主張した。

先述のポリティコも、バイデン氏が辞退した場合の「最も厄介な問題はカマラ・ハリス氏だろう」と主張。バイデン氏を支持する代議員らは、ハリス氏を自動的に支持するわけではないとしつつ、女性で黒人初の副大統領にバトンを渡さなければ、黒人有権者を遠ざけるリスクがあるとも指摘した。

その上で、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事とイリノイ州のJ.Bプリツカー知事、またはミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事が有力候補になり得るとの考えを示した。

保守派の一部からは、民主党はすでに三人目の人物を担ぐ計画があるといった主張も飛び出している。

今年1月に共和党の大統領予備選から離脱し、トランプ氏の支持を表明したヴィヴェク・ラマスワミ氏は9日、FOXニュースのインタビューで「ジョー・バイデンは候補者にならない」とした上で、「民主党の主要な障害はカマラ・ハリス問題だ」と主張。「もしバイデン氏を外した場合、通常は候補者となる自然な人物は、その現職大統領の副大統領になる可能性がある。しかし、私が思うところでは、その副大統領が効果的に仕事をすることができない」と述べ、それでも人種やジェンダーといったアイデンティティが候補者の重要な基準であるならば、「ミシェル・オバマがその問題から抜け出す便利な道だ」と自説を展開した。

テキサス州のダン・パトリック副知事もX(旧ツイッター)に「一年以上も前から何度も言ってきたように、ジョー・バイデンは指名されない。ミシェル・オバマが候補者になる可能性が高い」とコメント。「民主党のディープ・ステートがバラク・オバマによって運営されていることは明らかで、11月に勝つためには彼を下ろさなければならないと悟ったのだ」と続けた。