ジェームズフランコ

アカデミー賞ノミネート俳優のジェームズ・フランコが、新作映画でキューバの元最高指導者フィデル・カストロ役を演じることがわかった。しかしラテン系のベテラン俳優などからキューバ人ではないフランコの起用は不適切だと批判する声が上がっている。

フランコが出演するのは「キューバのアリーナ」(Alina of Cuba)と呼ばれる作品で、カストロの娘と言われるアリーナ・フェルナンデス氏の実話が元になっている。

主役はアナ・ビジャファーニェ(Ana Villafañe)が務め、メガホンをとるのはミゲル・バルデム(Miguel Bardem)。

コロンビア共和国出身の俳優ジョン・レグイザモは5日、自身のInstagramを更新し、「まだこんなことが行われているのか?ハリウッドはわれわれを除外するだけでなく、私たちの物語を盗用している」と非難。作品のボイコットを呼びかけた。

ストーリーについて「誤ったことを美化することなく伝えるのが、極めて難しい話」だと指摘すると共に、ジェームズ・フランコの起用に関しては「ラテン系ではない」と疑問を提起した。

この投稿に対し、ニカラグア系アメリカ人で政治評論家のアナ・ナバロも賛同。Instagramのコメント欄で「有能なラテン系俳優なら、60年以上もキューバ人を恐怖に陥れた残忍な独裁者を演じる契約を結び、彼の名声を高めたいとは思わないだろう」とボイコットを支持した。

プロデューサーは反論

これらの批判に対し、作品のプロデューサー、ジョン・マルティネス・オフェラン(John Martinez O’Felan)は「陸地や生活圏は、その人物の血統や遺伝を決定づけるものではない」と反論。

ハリウッドレポーターに声明で、レグイザモは「米国における初期のラテン系俳優として尊敬されてきた」と称えつつも、今回の批判は「文化的教養のない盲目的な攻撃」だと主張した。

さらに、ハリウッドのヒスパニック系コミュニティでは、ラテン系を称する人々によって「同じような混乱とアイデンティティー・クライシスが生じている」と指摘。多くは「われわれを代表していると思われていた俳優らが虚偽を拡散し、彼らの間で分裂を生じさせている」と皮肉を述べた。

作品は「米国に住み、歴史的に重要だとされる、ラテン系女性の移民に関する物語」だと説明し、「ラテン系のリーダーと主張する人物から攻撃を受けたことに、ある種の失望感を抱いているのを理解すべきだ」と語った。

オフェラン氏によると、キャストやクルーは世界7カ国から集められ、撮影地はコロンビアのカルタヘナとボゴタなどを予定している。

ネットでは、レグイザモの批判に対し、賛同する意見の一方で、「キューバ系スペイン人の女優(アナ・デ・アルマス)がマリリン・モンローを演じるのはOKなの?」と矛盾を指摘するユーザーや、レグイザモの過去の出演作について「ムーラン・ルージュで、あなたはフランス人に見えなかったけど」「マリオの映画でイタリア系を演じてなかった?」など皮肉る声も投稿されている。

フランコに関しては、「似ている」といった声も見られるが、過去にセクハラ疑惑が報じられていたことから(演劇学校の元生徒2人が提起したセクハラ訴訟で2021年に和解が成立)、改めてこの問題に言及する意見が寄せられている。