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スティーブン・セガールがロシア特殊部隊に?フェイクニュースが拡散

米人気ポッドキャスター、ジョー・ローガンが、誤情報をSNSで拡散し、再び炎上に見舞われている。

ローガンが1,500万人近くのフォロワーを抱えるインスタグラムにシェアしたのは、沈黙シリーズでお馴染みのハリウッド俳優、スティーブン・セガールが、ウクライナに侵攻中のロシア軍に加わっているとするニュースのヘッドライン。CNNの公式ツイート風のデザインに、軍隊に混じって、銃を携えるセガールの画像が掲載されている。キャプションには「世界中の諜報機関が、ロシア空軍部隊に占拠されたキエフ近郊にあるホストーメリ空港のはずれで、ロシア特別軍と共にアメリカ人俳優スティーブン・セガールが待機しているのを確認した」と書かれている。

AFPによると、ロシアが侵攻を開始した24日頃から、フェイスブックやツイッターで出回り始めたものだという。

ローガンは28日に投稿後、ほどなくして削除したものの、「いいね」の数は40万件を超え、コメント数は1万1,000件に達したという。

ローガンはその後、ロシアのプーチン大統領と親交のあるセガールがウクライナの入国を禁止されたとする、ワシントンポスト紙の5年前の報道記事を投稿。コメントで、フェイク画像を削除したことを明らかにするとともに「驚くことではないが、パロディーだったから」と理由を説明。「みんなと同様、早くこの悲劇的な状況が解決されることを祈っている」と加えた。

ローガンといえば、新型ワクチンを巡る発言が度々物議を醸してきたほか、昨年末、スポティファイで配信中のポッドキャスト番組で行った科学者のロバート・マローンとのインタビューに批判が殺到。科学者数百人が、公開書簡で、同社に誤情報防止のための対策を求める事態に発展した。

ローガンの投稿に対して、ネットでは「言論の自由は結構だが、君が影響力のあるアホでない限りね」「批判的思考がゼロで、ジョークの使い方をわきまえていない」「みんな頭を使おうよ。特にお前、ジョー・ローガン」「ジョー・ローガンがアメリカ人に嘘を拡散することで、不利益をもたらしている良い例だ」「だから、私は先月、彼のサブスクリプションをキャンセルしたのよ」といった批判の声が相次いだ。

なおCNNの広報担当者は、AFPの取材に「完璧なフェイク」と回答。セガールのマネージャーも「全くの嘘…スティーブン・セガールは過去4ヶ月間、東ヨーロッパに滞在していない」と否定した。

セガールの別の代理人は、本人はドバイにいるとした上で、フェイクニュースにある画像は2017年公開の『キリング・サザール 沈黙の作戦』の一場面だと説明。「大勢のフォロワーがいるのにも関わらず、世界中の何百万人に対して、事実を検証もせずに情報を共有するとは、なんとも残念なことだ」と、ローガンの軽率な行動を批判した。

ちなみにセガールは、格闘技を通じてプーチンとの親交を深め、2016年に、ロシアとセルビアの市民権を与えられている。2018年には、文化、芸術などを通して、人道分野におけるロシアとアメリカの関係を発展させる役目として、ロシアの対米人道特使に任命された。2021年、プーチン寄りの政党「公正ロシア・真実のために(公正ロシア)」に加入したと報じられている。

さらにロシアの国営メディアは2016年、セガールがプーチンの盟友で独裁政権を敷くベラルーシのルカシェンコ大統領一家を訪れ、大統領自らが皮を剥いた生人参を丸かじりしたり、食事を楽しんだりする様子を伝えている。ルカシェンコは、ロシアのウクライナ侵攻に協力しており、ウクライナ議会は1日、ベラルーシの部隊が同国北部のチェルニーヒウ地域に侵入したと発表している。

なおセガール本人は28日、「Fox News Degital」のインタビューに、「私は両国(ロシアとウクライナ)とも一つの家族だと見ていて、外部の組織が、両国を対立させるためにプロパガンダに巨費を投じていると、心底考えている」と見解を説明。「両国が前向きで、平和的な解決に達し、私たちが平和に共生し、繁栄できることを祈っている」と話した。

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