節税対策?富豪ベゾス氏がフロリダに引っ越し

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世界第3位の富豪ジェフ・ベゾス氏(59)は今月2日、シアトルを離れ、婚約者のサンチェス氏と共に、フロリダ州マイアミに移住する計画を明らかにした。

ベゾス氏は1994年にワシントン州のシアトルでアマゾンを創業した。本社近くの広大な敷地に、チューダー様式の邸宅を所有している。

ベゾス氏はSNSで、自分を支援してくれた両親の近くに住み、「ブルー・オリジンの事業が、(フロリダの)ケープ・カナベラルに徐々に重点を移行しているため」と理由を説明。父親が撮影した若き日のベゾス氏と、ガレージに開設したオフィスの動画を投稿し、シアトルは「心の一部」であり、離れるのは「感情的な決断」だったと綴った。

この発表に対し、フロリダへの移住を歓迎する一方で、節税のためではないかと勘繰るコメントが投稿されている。あるユーザーは、ワシントン州が導入した新たなキャピタルゲイン税が、判断に影響を与えた可能性を指摘している。ワシントン州の裁判所は今年3月、2021年に州会議で可決された7%のキャピタルゲイン税について、合憲とする判決を下していた。

ベゾス氏は先月、「億万長者の島」と呼ばれるマイアミのプライベートアイランド「インディアン・クリーク島」に、7ベッドルーム、14バスルーム付きの豪邸を7,900万で購入した。その2ヶ月前にはこの隣に、3ベッドルーム、3バスルーム付きの住宅を6,800万ドルで購入していた。

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ニューヨークポスト紙によると、ウォーターフロントにある物件はわずか40軒で、ベゾス氏が購入したのは、そのうちの2軒だという。建物を解体し、「宮殿のような巨大な邸宅」を建設すのではないかと噂されている。

フロリダ州の固定資産税率は0.89%で、ワシントン州よりも約0.1%低い。同紙は取り壊しの計画は確認できていないとしつつも、マイアミを主たる居住地とすることで、節税効果があるのは確実と伝えている。

また、ワシントン州在住の場合、現在の1,620億ドルの純資産にかかる相続税は、324億ドルだが、フロリダ州では資産に関係なく、相続税が課されず、キャピタル・ゲイン課税も発生しないと説明している。

イヴァンカ氏も土地購入

「億万長者の隠れ家」ともいわれるインディアンテン・クリークは、私設警官が常駐し、フロリダ州で最も警備が厳重だといわれる。

トランプ氏の長女イヴァンカ氏と、ジャレッド・クシュナー夫妻も2021年、同地に3000万ドル(約34億円)の土地を購入したと報じられた。住宅は、トランプ氏が所有するフロリダ州パームビーチの別荘「マール・ア・ラゴ」から1時間ほどの距離にある。

これまでに、フリオ・イグレシアスや投資家のカール・アイカーン氏、NFL、フィラデルフィア・イーグルスの元オーナー、ノーマン・ブラマン氏、マイアミ・ドルフィンズの元コーチ、ドン・シュラ氏、モデルのアドリアナ・リマ、シアーズの元CEOで投資家のエディー・ランパート氏、実業家のジェフ・ソファー氏らの富豪や著名人などが名を連ねる。