トランプ氏有罪なら、暴力はびこる最悪刑務所「ライカーズ島」に服役の可能性も!?

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大統領経験者として初めて刑事訴追されることになったトランプ前大統領だが、有罪となり実刑が命じられた場合、悪名高いニューヨークのライカーズ島刑務所に収監される可能性があるという。

ニューヨークの大陪審は30日、トランプ前大統領を起訴する判断を下した。起訴状が公開されるまで罪状は明らかにならないが、嫌疑は2016年大統領選終盤にポルノ女優に支払われた13万ドルの口止め料に関連するもので、訴因は30件以上にのぼるとも報じられている。来週火曜日に検察に出頭し、指紋採取などの手続きを経て、法廷で罪状認否が行われると見られている。

ライカーズ島刑務所といえば、劣悪な施設の環境や、精神的および肉体的な暴力など、被収容者に対する過酷な処遇で知られる。昨年所内で死亡した人数は史上最多の17人に達した。同刑務所で過ごした囚人の中には、ジョン・レノンを殺害したマーク・チャップマン、サムの息子事件で知られる連続殺人犯、デビッド・バーコウィッツ、ミュージシャンのシド・ヴィシャス、2PAC、DMXなどがいる。最近ではハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタインや、ネットフリックスのオリジナルドラマ「令嬢アンナの真実」で話題になったソーホーの女詐欺師ことアンナ・ソローキンも服役した、

トランプ氏のライカーズ行きの可能性を指摘したのは、刑事司法が専門のニューヘブン大学の准教授、マイク・ローラー氏。

ローラー氏はデイリーメールの取材に「比較的短く、数年以内ならば、ニューヨークのライカーズ島に服役するだろう。長ければ、アップステートの矯正施設のいずれかになる可能性もある」と説明。すでに76歳という高齢から「保護拘置され、隔離される必要がある」とも述べ、「ライカーズにはそのための施設があり、半分が空いている。スペースに不足はない」と加えた。

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トランプ氏の3歳年下で、昨年8月に税金詐欺などで有罪を認めたトランプ・オーガニーゼーションの財務部門の元トップ、アレン・ワイセルバーグ氏も、現在ライカーズ島に服役しているが、同様の処遇だという。

シークレットサービスがつきっきり

大統領経験者と妻には、本人が辞退しない限り、シークレットサービスが生涯にわたって警護することが法律で定められている。

ローラー氏は「シークレットサービスが1人か2人、監房の外で看守と一緒に座ることになるだろう」と指摘。「トランプ氏にアクセスする人物や特別房に出入りする人物をスクリーニングするのは間違いないだろう」と述べた。

一方で、処遇に「例外を設けることはないと思う」とも述べ、「他の囚人たちと同様、身体検査を受け、囚人服を着用し、不快なベッドを与えられる」と語った。

マンハッタンのケースに加え、トランプ氏の自宅から押収された機密資料と議事堂襲撃事件について、連邦検察官が捜査を進めている。

連邦制度内で訴追された場合について、ローラー氏は「異なる施設に移送するのは容易」と話し、元腹心で、今回の口止め料に関するものを含む複数の罪で有罪となったマイケル・コーエン氏が過ごしたニューヨーク州オレンジ郡のオーティスビル連邦刑務所に収監される可能性があると語った。

判決には長い道のり

最終的な判決は数年先になる可能性が高い。ローラー氏は、「トランプである以上、いつでも控訴する可能性が高い」と述べ、そうした場合、寿命や健康の観点から、独房ではなく「医務施設にいることになるだろう」と語った。

ライカーズ島がその頃には廃止されているかもしれない。ニューヨーク市議会は2019年、島内にある刑務所を2026年までに閉鎖する決議案を賛成多数で可決した。2022年に市長に就任したエリック・アダムズ市は、閉鎖を推進する考えを示している。ただし、ブルックリンやマンハッタン、クイーンズ、ブロンクス地区の4カ所に新たな矯正施設を建設する計画が報じられているが、住民の強い反対に会うなど、複雑な問題に直面していると伝えられている。