マンハッタン地検 トランプ氏の犯罪捜査を拡大

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マンハッタン地検によるトランプ氏とトランプオーガニゼーションに対する捜査は、マンハッタン郊外にある地所「セブン・スプリングス」にまで及んでいることがわかった。

セブンス・スプリングスは、トランプオーガニゼーションがウエストチェスター郡に所有する213エーカーの物件。ベッドフォードタウンとニューキャッスル、ノースキャッスルにまたがる。

ベッドフォードの弁護士、Joel Sachs氏はCNBCに、マンハッタン地検のサイラス・バンス・ジュニア検事長が召喚状を発行し、クリスマス前までにセブンス・スプリングに関する記録の提出を求めたと話した。

これとは別に、ニューヨーク州のレディシア・ジェームズ司法長官も、セブン・スプリングスの取引を調査している。

トランプ・オーガニゼーションはセブン・スプリングスのゴルフコース開発を断念した後、2015年に約150エーカーの森林を保全することを約束。環境保全と引き換えに2,110万ドルの税控除を受けた。ジェームズ長官は、同取引に関して、トランプオーガニゼーションが適切な資産評価が行なわれたか調査しているという。

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CNBCによると、トランプ氏はセブンス・スプリングスを1996年に750万ドルで購入したが、2012年の決算書で2億9,100万ドルと評価していたという。

昨年12月、ニューヨーク郡裁判所は、トランプオーガニゼーションに対して、セブン・スプリングスに関する記録をジェームズ司法長官に引き渡すよう命じている。

マンハッタン地検がトランプ氏の犯罪捜査を開始したのは2018年。当初、2016年選挙活動中に支払われたとされるポルノ女優への口止め料に関するものだったが、その後、範囲を拡大し、現在は税金詐欺や保険詐欺、業務記録の改ざんにまで及んでいるとみられている。

バンス検事長は昨年8月、トランプ氏が利用している会計事務所Mazars USAに対し8年分の納税記録などの提出を求めたが、トランプ氏は現職の大統領は刑事捜査の対象にならないと主張し、訴訟を起こした。納税記録の提出を巡る争いは、現在、最高裁判所に持ち込まれている。

AP通信は、トランプ氏の元弁護士、マイケル・コーエン氏が14日、マンハッタン地検から数時間におよぶ聴取を受けたと報じた。聴取は、トランプ氏のビジネス取引に関するもので、特にトランプ氏の最大の貸し手であるドイツ銀行との関係に焦点を当てたものだったという。

コーエン氏は、2019年に行われた議会公聴会で、トランプ氏は決算書で、ローンや保険契約で有利な条件を得るために資産価格をかさ上げする一方、固定資産税を減らすために他の資産価格を低く申告していたと証言していた。