米住宅市場「バブル」が当面継続、元FDIC総裁

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米連邦預金保険公社(FDIC)の元総裁、シーラ・ベアー氏はCNNのインタビューで、今日の住宅市場を「バブリー」だとし、「典型的な需要と供給の不均衡」によるものだと語った。

全米リアルター協会(NAR)によると、8月の中古住宅販売価格の中央値は40万7,100ドルで前年同月比で3.9%上昇、3ヶ月連続で40万ドルを上回った。

中古住宅の売れ残りは8月末時点で前月比0.9%減の110万戸となった。現在の販売ペースを考慮すると3.3か月分に相当する。同協会では、歴史的に半年分の供給は緩やかな価格上昇を伴い、これを下回る供給レベルは、価格の急速な上昇を招く傾向があるとしている。

2006年から2011年までFDICを率いたシーラ氏は「金利が安かったとき、多くの人が購入をしたいと考えた。 結果、価格は非常に高騰した。かなり予測できたものだ」と述べつつ、「供給が制限されたままであれば、この状況はしばらく続く可能性がある」と予測を示した。

一方、「幸いなことに、今日の住宅市場での投機行為ははるかに少ないと見ている」「たとえ住宅価格が少し調整されたとしても、人々はアンダーウォーター(住宅の価値が、返済すべき借金を下回る状態)に陥らないはずだ」と述べるなど、2000年代半ばに起きたバブル崩壊の再来の可能性は低いとの考えを示した。

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CoreLogicの統計によると、第2四半期の住宅ローンが組まれた物件のうちホームエクイティがネガティブな物件は、第1四半期から6%減少し全体の2%(110万戸)に低下した。2009年第 4 四半期に住宅価値よりもローンが上回っていた物件は26%に達していたという。同社は、米国の住宅所有者全体のローンを抱える割合は63%程度だとしている。