NYハドソンヤード開発のビリオネア トランプ大統領のファンドレイジングで炎上。ボイコット騒ぎに

815

ニューヨークの大規模開発ハドソンヤードの開発を手がけた富豪の不動産開発事業者ステファン・ロス(Stephen Ross)氏(79)が、今週末にトランプ大統領の再選を支援するファンドレイジング・イベントのホストを務めることが分かった。7日、ワシントンポスト紙が報じた。

ロス氏が会長を務めるリレイテッド・カンパニーズ(Related Companies)が所有する高級スポーツクラブ、エキノックス(Equinox)とソウルサイクル(SoulCycle)には、半トランプ派から非難が殺到し、退会する人が現れる騒ぎとなっている。

2000万円を超える高額チケットも

ポスト紙によると、ファンドレイジング・イベントは10日、サウスハンプトンズのロス氏の自宅やブリッジハンプトンで開催される予定で、サウスハンプトンズでのチケットは、5,600ドル(60万円)から25万ドル(約2,650万円)の範囲だという。
10万ドル(1,060万円)のチケットにはランチと写真撮影、25万ドルのチケットには、ラウンドテーブルでのディスカッションが含まれる。
招待状では、ウィルバー・ロス(Wilbur Ross)商務長官や、スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)米財務長官、ジャレッド・クシュナー(Jared Kushner)米大統領上級顧問、トランプ大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr.)氏などが特別ゲストとして参加する予定となっている。

高級スポーツクラブEquinoxとSoulCycleで退会騒ぎ

アクティビストでマーケティングコンサルタントのシャノン・コルター(Shannon Coulter)氏は、ハッシュタグ#GrabYourWallet でトランプ政権を支援する関連企業へのボイコット運動を呼びかけた。

ロス氏が所有するリレイテッド社は、高級フィットネスブランドのエキノックスを2005年に買収しており、自転車のエクササイズで有名なソウルサイクルはエキノックス傘下の企業となる。
LGBTQコミュニティーを支援するエキノックスに対し、トランプ大統領の方針と異なるとしてインスタグラムなどにも非難が殺到した。

Advertisement

コメディアンのビリー・アイクナー(Billy Eichner)や、モデルのクリッシー・テイゲン(Chrissy Teigen)は、エキノックスとソウルサイクルからの退会を呼びかけた。

この炎上騒ぎを受け、エキノックスとソウルサイクルは声明で「このイベントとは関係がなく、支援も行っていない。」と関与を否定する声明を発表した。
エキノックスは「企業の利益は、政治家の資金調達に使用されることはない。」と述べ、さらにロス氏は、企業経営の決定に携わらない「パッシブ投資家で、両社のマネジメントには関与していない。」としている。

ソウルサイクルのメラニー・ウィーラン(Melanie Whelan)最高経営責任者(CEO)も、「われわれは、多様性、包括性、平等性を信じる。」と述べ、エキノックスと同様に、ロス氏による企業経営への関与については否定した。

ロス氏は、トランプ大統領再選の支援を発表

ロス氏は、長年共和党のドナーとして知られており、2016年大統領選に出馬したジェブ・ブッシュ(Jeb Bush)氏への支援も行っている。

FOXニュースによると、ロス氏は7日、声明で「民主的なプロセスに積極的に参加しており、ドナルド・トランプ氏とは40年間の知り合いで、いくつかの点に関しては同意するが、多くの点に関しては強く反対する。私は自身の意見を表明することを、恥ずかしいと感じたことはありません」と述べた。
さらに、「私が深く関心を持っていることを支援し、直接関与したいと思っているため」、トランプ氏の再選を支援すると表明した。

ロス氏は、リレイティッド社のほか、フットボールチームのマイアミ・ドルフィンズ(Miami Dolphins)を所有する。
また、リレイテッド社は、セレブシェフ、ディビット・チャン(David Chang)のモモフク(Momofuku)やミルク・バー(Milk Bar)、ファストカジュアルピザチェーンのアンドビザ(&pizza)、フィットネスのブリンク・フィットネス(Blink Fitness)、オーストラリア・コーヒーチェーンのブルーストーンレーン(Bluestone Lane)、タンポンのスタートアップ企業ローラ(Lola)などにも出資してており、今後影響は広がりそうだ。