ストライキ中に番組制作再開 ドリュー・バリモアに非難殺到、全米図書賞授賞式の司会外される

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米国の脚本家と俳優の組合のストライキが長期化する中、自身が司会を務めるトーク番組の制作の再開を発表した女優ドリュー・バリモアに非難が殺到。11月にニューヨークで開催される全米図書賞の授賞式の司会者に抜擢されていたが、全米図書財団は起用を見合わせると発表した。

5月に始まった米脚本家協会(WGA)の労組のストライキは130日以上、7月に始まった俳優の労組(SAG-AFTRA)ストライキは約60日続いている。映画製作会社や動画配信会社が加盟する全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)は先月、新たな提案を示したが、WGA側は内容が不十分だとして、ストの継続を呼びかけた。

バリモアは11日、自身のインスタグラムを更新し、番組「ドリュー・バリモア・ショー」の制作再開について「ライターの得意なことを提供するためにそこにいたい。それは、皆を団結させ、人々の経験を知るための助けとなる」と語っていた。

番組は、ストライキ中のWGAの組合員が担当するパートを除いて制作されるという。ニューヨークタイムズによると、ウーピー・ゴールドバーグらが司会を務めるABCのトーク番組「ザ・ビュー」も、同様の方法で番組の制作を開始している。

バリモアの投稿に対し、ストライキを支持するユーザーからは「長期的には脚本家に不利益にはたらく。今一度考え直して」「デモの邪魔をしないでほしい」「番組の重要性とこの闘争の重要性を混合している。恥ずべき」「あなたの成功を支えてきた組合は、あなたを支持しない」「番組とWGAとの契約に対する明確な違反行為。デモを弱体化させている」などの批判的なコメントが多数投稿された。

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WGAの組合員や俳優も同日、「ドリュー・バリモア・ショー」を撮影中のCBSスタジオの前で、抗議活動を行った。

全米図書賞授賞式の司会起用を見送り

さらに、2016年に全米図書賞を受賞した作家コルソン・ホワイトヘッドはSNSで、全米図書賞の授賞式の司会にバリモアが抜擢されていると投稿すると、「信じられない」「言葉を失う」などの声が上がった。

全米図書賞は、米国で最も権威のある文学賞の一つ。これまでにパドマ・ラクシュミやシンシア・ニクソンなどが司会を務めてきた。

全米図書財団は12日、声明を発表し、全米図書賞は「文学の力や、文化に対する作家の比類なき貢献を讃えるため」に存在すると説明。「第74回全米図書賞授賞式に、バリモア氏を司会者として招待するのを見合わせた」と発表した。

なおバリモアは5月、ストを決行した脚本家に連帯を示すため、MTVムービー&TVアワードの司会を自ら降板していた。