トランプ氏、敗北後もカルトな人気。米世論調査

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USAトウディとサフォーク大学が行った世論調査によると、共和党支持者の78%は現在も、バイデン次期大統領は、正当に当選していないと回答した。一方、民主党支持者と無党派層の大半(82%)は、バイデン氏は正当に選ばれたと回答した。

調査は12月16日から20日、登録有権者1,000人に実施。誤差幅は、プラスマイナス3.1パーセント。

トランプ陣営は現在も、郵便投票の拡大により、大規模な不正が行われたと主張。敗北を認めていない。

しかしサイバーセキュリティー・インフラセキュリティー庁(CISA)は先月、投票システムによる票の削除や改ざん、不正アクセスはなかったと調査結果を発表。ウィリアムズ・バー司法長官も1日、選挙結果に影響を及ぼす規模の不正行為は見つかっていないと述べた。

トランプ陣営は、選挙結果を覆すために、激戦州で訴訟を提起してきたが、大規模な不正投票の証拠を提出することができず、多くの法廷で訴えが退けられるか、取り下げるなどしている、

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14日には各州の選挙人投票により、バイデン氏が過半数の306人を獲得し、正式に当選が確定した。共和党上院のリーダー、ミッチ・マコーネル院内総務も、バイデン氏の勝利を認めている

「すべての米国人の大統領」が課題に

世論調査では、共和党支持者の71%は、2024年にトランプ氏が再び出馬した場合、票を投じると回答している。

一方、トランプ氏が自身に先制的恩赦を与えることについて、「適切な恩赦権の行使」と考える共和党支持者は56%に止まった。民主党支持者は3%、無所属は17%だった。なお、これまでに自身に恩赦を与えた米大統領はいない

新型コロナウイルスの感染防止対策として、バイデン氏は就任後100日間、国民にマスクの着用を求めると発表したが、共和党員の3分の1は着用を拒否すると回答。民主党員は1%、無所属は13%だった。

またワクチン接種に関して、共和党支持者の3分の1は受けないと回答。8人に1人は、接種を受けるかどうかの判断は、家族や友人、ファウチ博士や保健当局による勧めではなく、トランプ大統領だと回答した。

これまでにペンス副大統領や、ファウチ博士、医療従事者が、安全性をアピールするため、公開接種を実施してきたが、10月に新型コロナに感染したトランプ氏は、抗体があるため、すぐに接種を受ける計画はないとしないとしている。

保守系メディアのFoxニュースを信頼する有権者の83%は、バイデン氏は正当的に勝利していないと回答した。一方、PBSやNPR、CNN、MSNBC、ABC、CBS、NBCを信頼する有権者の93%は正当的に当選したと回答している。

世論調査の結果を受けUSAトウディは、トランプ氏の支持者は、政府関係者やジャーナリスト、学者、政治家が何を言おうと関係なくトランプ氏に信頼を寄せており、「トランプ氏は、カルトのような信者から支持を得る数少ない大統領」と評した。

トランプ支持者は、今後もバイデン氏が正当的に選ばれたと認めることはないだろうとして、同氏の課題は彼自身が表現した通り「すべての米国人の大統領」になることだと述べている。