クレブス元CISA長官、2020年選挙の成功の鍵は「紙」

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クリス・クレブス元サイバーセキュリティー・インフラセキュリティー庁(CISA)長官は、29日放送のCBSの番組「60minutes」のインタビューで、投票システムに関する疑惑を改めて否定した。

クレブス氏は今月、投票システムによる票の削除や改ざん、不正アクセスはなかったと調査結果を発表した後、トランプ大統領によって解任された。

共和党員のクレブス氏は、2017年に国土安全保障省に加わり、2018年にトランプ大統領によって、CISA長官に任命された。

クレブス氏はインタビューで、過去3年半のチームの仕事について「外国がいかに選挙に干渉するのか、想定しうるすべてのシナリオを実行してみること」だったと語り、数え切れないほどのシナリオを想定したと語った。

不正対策で優先したものは、紙の投票用紙を増やすことだったと説明。「紙の投票用紙では、監査し、戻って記録を確認し、カウントが正しいことを確認できる」と述べ、「安全な選挙を成功させるための鍵だった」と語った。

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2020年の選挙では、95%の票が紙の記録として残されており、2016年の82%から拡大した。

クレブス氏は、紙の記録は「集計を改ざんする悪いアルゴリズムやハッキングされたソフトウエアがないか、証明することができる」と説明。ジョージア州では、手作業で紙の投票用紙を再集計した結果と機械集計が一致していたと語った。同州では、投票機で候補者を選択すると、紙の投票用紙がプリントアウトされ、これをスキャナーで読み込む方式を採用している。

クレブス氏は、ジョージアの再集計について「機械集計の側に不正操作がなかったことを示している」と述べ、紙の記録により「私がばかげたデマと呼んでいる、ソフトウエアやシステムが全国的にハッキングされているといったセンセーショナルな主張の嘘を暴くことになると考えている」と語った。

11月3日の大統領選挙の結果、バイデン氏の獲得選挙人は306人となり、勝利を確実にしている。トランプ氏は政権移行プロセスの開始を承認したが、公には敗北を認めておらず、選挙で大規模な不正があったと主張を続けている。選挙結果を覆そうと複数の州で訴訟を提起しているが、このうちの多くがすでに退けられるか、取り下げるなどしている。28日、トランプ陣営がペンシルベニア州の結果の認証の差し止を求めていた訴訟について、連邦第3巡回区控訴裁判所は「告発には具体的な主張と証拠が必要で、そのいずれも欠けている」として、陣営の訴えを退けた。