NY州 新型コロナの1日の死者783人。入院増加数は平たんに

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ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)知事は11日の会見で、新型コロナウイルスに関連する死亡者数を「恐ろしい」と述べつつ、増加数が一定になっていると語った。

昨日からの死者数は783人で、前日の777人からやや増加した。一方、入院患者数の増加は85人で、昨日の増加数より大幅に低下。「入院患者数は頂点に達したようだ。」と語った。

  • ニューヨーク州の感染者数 180,458人(+9,946)
  • ニューヨーク市の感染者数 98,308人(+5,924)
  • 入院者数 18,654人(+85)
  • ICU患者数 5,009人(+101)
  • 死者数 8,627人(+783)

現在の被害状況について、すべての予測モデルを下回っていると述べつつ、「コースを外れてはならない。われわれが経験していることは自らの行動の産物だ。」と述べ、ソーシャルディスタンスの方針を堅持する意向を示した。

早急な経済再開については慎重姿勢

経済再開について、「経済的な問題であると同時に、公衆衛生上の問題でもある。この2つを分離させようとは思わない。州や国民に命を落とすか、金を稼ぐかの選択を迫ることはできない。」と語った。
経済再開を急ぐことは、アウトブレイクの再発に繋がりかねないとして、慎重な姿勢を示している。

また、「政治的な陰謀説はない。全員にとって未知の領域だ。事実にフォーカスしよう。データに焦点を当てて、そうやって決断を下そう」と前置きした上で、「われわれはもっと検査しなければならない。もっと高度な検査を、より迅速に実施しなければならない。診断検査と抗体検査の両方だ。」と、迅速かつ大規模な検査の必要性を強調。「政府の経済対策法案が鍵を握る」と述べ、追加の資金提供を呼びかけた。

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クオモ氏は昨日、大規模に検査を実施するには政府の介入が必要と主張。先月成立した2.2兆ドルの新型コロナ経済対策はニューヨークに不公平だとの主張を繰り返し、政府による追加の経済対策が必要だと述べていた。

クオモ氏はまた、「影響を受けた地域を助けたいのなら、政府が何をするべきか告げよう。SALTを廃止するべきだ」と、トランプ政権が設けたSALT控除の上限の廃止を要求した。SALTは連邦税の申請に関し、州税として支払った所得税や固定資産税額を控除する制度。2017年に成立したトランプ政権の税制改正では、控除に上限(1万ドル)が設けられた。

会見の前、ニューヨーク市のデブラシオ市長は、学校閉鎖期間を9月まで延長すると発表した。これに対しクオモ氏は、市長の意見は尊重するとしたものの、「この状況下では、市に学校再開の権限はない」と述べた。事業再開のタイミングや、近隣地域や州と連携する必要性を主張している。