米名門大学への裏口入学。『デスパレートな妻たち』女優など50人訴追

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米連邦地検は12日、子供をエール大学などの名門大学に裏口入学させるため、最大7億円を超える多額の謝礼金を支払うなど詐欺の疑いで、50人を訴追したことを明らかにした。

訴追された33人の両親の中には、『デスパレートな妻たち』でリネット役を務め、アカデミー賞ノミネート女優フェリシティ・ハフマン(Felicity Huffman)さんや、『フルハウス』のロリ・ロックリン(Lori Loughlin)さん、その夫で有名ブランド「Mossimo」デザイナーのモッシモ・ジアンヌーリ(Mossimo Giannulli)氏、複数の企業の最高経営責任者(CEO)、世界的法律事務所の共同会長などが含まれる。

検察当局によると、詐欺は2種類の方法で行われた。一つは、両親が偽の慈善団体に対してお金を支払い、替え玉で試験させた。
もう一つは、団体が大学職員やスポーツチームのコーチに賄賂を送り、能力の有無に関係なくスカウト選手として入学させた。フォトショップで、スポーツ選手と受験者の顔写真を合成し、偽造書類を作成していた。

CNNなどによると、連邦捜査局(FBI)は「バーシティ・ブルース作戦」(Operation Varsity Blues)と名付けた捜査を1年以上進めていた。

マサチューセッツ州のアンドリュー・レリング(Andrew Lelling)検事は記者会見で、訴追した者は、2名のSAT/ACTの運営者や、1名の試験監督者、9人の大学コーチ、大学の管理者と33人の両親が含まれると述べた。

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大学関係者は、エール大学や、ウェイクフォレスト大、ジョージタウン大、スタンフォード大、南カリフォルニア大、UCLA、テキサス大など6州にまたがる。刑事告発された事件は、2011年から2019年に及ぶ。

レリング検事は、両親らを「富と特権の目録」だと表現し、「富裕層のための特別な大学入試制度はありえない。加えて、刑事司法制度が適用されることはないだろう。」と富裕層に特権は認めないことを強調した。「不正入学者が出る度、真に才能のある学生は入学を却下された。」と強く非難した。

FBIのジョセフ・ボナボロンタ(Joseph Bonavolonta)特別捜査官は、両親らが不正入学のために支払った金額は、20万ドル(2200万円)から650万ドル(約7億2400万円)に及ぶと述べた。

詐欺を計画したシンガー氏は有罪を認める

詐欺の計画を行っていたのは、入試コンサルティング会社の創設者、ウイリアム・リック・シンガー(William Rick Singer)氏
シンガー氏は偽の慈善団体「キー・ワールドワイド財団」(Key Worldwide Foundation)を通じて、2500万ドル(27億8000万円)を受け取っていた。
12日午後、ボストン連邦裁判所で、資金洗浄(マネー・ロンダリング)や、不正な金もうけ、国家に対する詐欺、司法妨害などの謀議に関する4つの罪を認めた。
なお、子供らは訴追されていない。