スイートグリーン、チポトレのコンポスト可能ボウルに、永遠に分解されない有害物質?

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チポトレ(Chipotle)やスイートグリーン(Sweet Green)、ディグイン(DIG INN)など、ファーストカジュアルレストランで目にすることの多いテイクアウト用のパッケージに、生分解されず、ガンに関連する物質が含まれる可能性があることが、ニューフード・エコノミーのジョー・ファスラー氏(Joe Fassler)の調査でわかった。

容器は薄いベージュ色で、成形ファイバーボウルの名で知られる。消費者にはコンポスト可能なものとして知らされていることも多い。

フォーエバー・ケミカル

問題の物質は、PFAS(パーフルオロアルキル化合物)というフッ素化合物で、「並外れた撥水および撥油性」があり、容器に処理を施すことで、高温の食材や水分、油の多い食べ物を入れてもボウルが壊れないのだという。

一方、PFASは「フォーエバー・ケミカル」と呼ばれるなど、残留性が強く、環境中で劣化しない。米食品医薬品局(FDA)によると、PFASには約5,000タイプがある。1940年代から様々なファブリックやカーペット、調理器具やフードパッケージなど幅広く使用されてきたが、この結果、環境に堆積し、地下水や土壌汚染の原因として問題視されている。蓄積は人間や動物にもおよび、世界中の人間や動物の血液に含まれていることがわかっている。FDAは今年6月、潜在的な健康への影響について、科学的研究は発展途上としつつ、特定のPFASの体内蓄積が深刻な健康被害を起こす可能性があると述べている。

PFASを意図的に使用

ファスラー氏は、ニューヨーク市内のレストランから集めた容器のサンプルを、ノートルダム大学のGraham Peaslee教授に送り、テストを行なった。数千タイプあるPFASのすべてを検査するのは困難であるため、製品に含まれるフッ素の総量を計測したという。結果、すべての容器にハイレベルのフッ素が含まれていることが判明した。このことから「製品が意図的にPFASを使用して製造されたことを証明している」と結論づけている。またタイプについて特定はできないが、PFASの代表的物質である PFOAとPFOSではすでに米国で製造や輸入が禁止されているため、これら以外だろうとしている。

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人体・環境への影響は?

テストはPFASのタイプを特定するものではなかったが、ファスラー氏は「ポイントは、すべてのPFASは残留性の高い化学物質で、地球と体内に長期間滞留することだ」と指摘する。

健康被害については明らかではないとしつつ、「製造を禁止されているような最悪のPFAS物質は、大腸炎から甲状腺疾患、腎がん、精巣がんなど、一連の深刻な病気と関連している」と強調。容器に使用されているであろうPFASのバリエーションは、潜在的な健康への影響については詳しく研究がされていないと警告する。

PFOA、PFOSといった禁止されているタイプ(長鎖PFAS)に比べて、これらのPFASタイプはフィルターするのが難しく、水路や血液を通じてより簡単に移動することができるため、人体や地球により広く分散する可能性が高いという。ある研究者は、特に熱い食べ物では容器から食べ物に移動しやすく、少量のPFSAを食べてしまう可能性が比較的高いと述べている。

テストを行なったPeaslee教授は、本当の問題は水質汚染だと指摘する。コンポスト可能として廃棄された容器が埋立地に到着する。そこで、植物由来の物質は分解される一方、フォーエバー・ケミカルが染み出し、公共の水路へとたどり着く。最終的には、我々が毎日飲む水道の蛇口に向かうことになる、と述べている。

企業の反応は?

ファスラー氏がチポトレにコメントを求めたところ、「(容器の)サプライヤーはFDAが定めた厳格なガイドラインに従って運営しており、チポトレに対して、すべての原材料と最終的なパルプ製品が、認可されたPFASのみを安全に使用するためのFDAの規制に準拠しているという証明書を提出している。」と、合法性を強調した。スウィート・グリーンは回答をせず、ディグインのスポークスマンは現時点で提供できる情報がないと述べている。