トランプ大統領 元弁護士に偽証指示の疑い 民主党は議会で追求の構え

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BuzzFeedは17日、トランプ大統領が元顧問弁護士のマイケル・コーエン氏に対し、ロシアのトランプタワー建設計画に関して議会に偽証するよう指示していたことを、2人の捜査当局者の話として報じた。偽証指示の一報を受け、民主党議員から次々に、厳しい追及を求める声があがった。

報道によると、トランプ大統領は選挙後、モスクワのトランプタワー建設計画をめぐるロシア側との交渉が、実際よりも早く終了していたと証言するよう、コーエン氏に指示。また、大統領選挙期間中にトランプ氏は、プーチン大統領との面会を目的とするロシア渡航計画を実現するよう、コーエン氏を支援した。さらにBuzzFeedは、トランプ氏の子供のドナルド・トランプ・ジュニア氏とイバンカ氏が、定期的かつ詳細な進捗報告をコーエン氏に求めるなど、家族が密接に関わっていた状況を報じた。

これら疑惑は、トランプ・オーガニゼーション内の複数の目撃証言や社内メール、テキストメッセージ、その他の隠されていた資料によって明らかとなり、コーエン氏は捜査当局との面会で、指示された事実を認めたという。

コーエン氏は昨年11月、2017年に開催された上院情報委員会と下院情報問題常設特別調査委員会の証言および書面の中で、モスクワ計画の検討時期やロシア渡航の意図、トランプ氏へのロシア渡航の依頼などについて偽証したことを認めていた

民主党議員からは、司法妨害の可能性について議会での追求を強める声が噴出した。

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下院情報委員会のアダム・シフ委員長(民主党)は、疑惑を「最も深刻なもの」と述べ、「真実を見極めるために必要な措置をとる」と発表。

リチャード・ブルーメンソール上院議員(民主党)は、偽証の指示を”司法妨害”であるとし、大統領は未起訴の共謀者ではなく、犯罪者だと述べた。

下院司法委員会のジェリー・ナドラー委員長(民主党)も、調査を開始する意向を表明した。

一方、トランプ大統領は、コーエン氏が減刑のために嘘をついているとツイート。さらに、コーエン氏の義父を調査するよう主張。

複数の報道によると、コーエン氏の義父は、シカゴのタクシー会社オーナーに少なくとも2,000万ドルを貸付したとされる。捜査当局がコーエン氏の事務所とホテルを家宅捜索した際、このタクシー会社オーナーの名が使用されたという。

トランプ氏の顧問弁護士のルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長は声明で「大統領がマイケル・コーエンに偽証を指示したという話は、情報元がいかなるものだとしても、絶対的に間違いである。マイケル・コーエンは犯罪を犯した嘘つきだ」「本日の主張は、刑期を減らそうとする、悪意に満ちた無謀なでっちあげにすぎない。」と、コーエン氏を嘘つきとするこれまでの主張を繰り返した。

なお、マイケル・コーエン氏は、2月7日に下院監視・政府改革委員会での証言を予定している。