ファーストフードチェーンのバーガーキングで27年間、1日もシフトを休まず働き続けてきた男性に、会社が贈った褒賞品に対し、ネットでは「これだけ?」「逆に悲しい気分になる」と同情の声が相次いでいる。

きっかけは感謝を伝えるTikTok動画

バーガーキングのラスベガス店で働くケビン・フォードさん(54)はTikTok動画で、勤め先のHMSホスト(バーガーキングのフランチャイズ企業)から、ギフトを受け取ったと報告。「みんなありがとう」と述べながら、映画鑑賞券やスターバックスのタンブラー、Reese’sのチョコレート菓子、Lifesaversのアメ、2本のボールペン、キーチャームなどをカメラに向かって一点づつ紹介し、最後に両手で親指をあげ、改めて感謝の言葉を繰り返した。

SNSで反響

動画はその後、他のプラットフォームに拡散され、話題に。レディッドにも投稿されたが、「同僚や下級階層のマネージャーたちが、自分たちでお金を出し合ってこれを買ったのだろう。そう思うと、さらに悲しい気持ちになる」「きっと彼の仲間は、なけなしのお金でこの日を意義あるものにしたいと思ったのだろう。見てる方からすると、より悲劇的だ」と同情的な声があがる一方、「CEOや幹部は何百億ドルももらっている」「彼が謙虚で親切なだけに、余計に腹がたつ」「彼にはそれ以上の価値がある」と企業を非難するコメントが投稿された。

ちなみにIndeedによると、バーガーキングの調理係の時給は12.46ドル、レストランスタッフが13.25ドル、レストランマネージャーになると15.77ドルとされている。スタッフとして1日8時間週5日働いたとした場合、単純合計すると年収は2万7,560ドル(370万円)の計算になる。

一方、バーガーキングとともに、ポパイズやティム・ホートンズなどを傘下にもつ レストラン・ブランド・インターナショナルのホセ・シル(JOSE CIL)最高経営責任者の純資産は3,400万ドルで、CEOとしての年収は2,000万ドル(27億円)とも伝えられている

寄付が殺到

動画が話題になっていることを知ったフォードさんの娘シレナさんがGoFundMeのキャンペーンを立ち上げると、5日間で4,800人が寄付。26日現在で、当初の目標額である2,500ドルをはるかに超える約15万5,000ドル(約2,000万円)が集まった。

シレナさんはキャンペーンのページで、父親は27年前、自身と姉の親権を得てシングルファーザーとなった際に、バーガーキングで働き始めたと説明。再婚後も、家族の健康保険のために仕事を続けてきた。自身も父もお金を期待しているわけではないとしつつ、「もし父親に恵みがあれば、彼はぜひ孫を訪れたいと思っています」と旅費の足しにしたいと考えていると語った。

予想をはるかに超える反響に、フォードさんはTODAYの取材で「信じられない」と率直な感想を語り、「ただ仕事に行って、楽しんで、みなの1日がいい日になるように努めてきた。まるで2日間夢を見ている気分だ。ただ素晴らしい」と話した。

キャンペーンでは、コメディアンのデヴィッド・スペード氏が5,000ドル(約68万円)を送るなど、大口の寄付もあった。

フォードさんは、6歳と8歳の孫とシリナさんを訪れる予定だという。使い道は「まだ具体的に検討していない」と述べつつ、娘と寄付者らに感謝を示した。