お肉の量が広告と違う〜バーガーキングに集団訴訟

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ファストフードチェーン「バーガーキング」の製品広告が不当表示にあたるなどとして消費者らが訴えた裁判で、フロリダ州の連邦地裁の判事は、会社側の却下の求めを部分的に退け、訴訟を進める判決を下した。

訴状が最初に提出されたのは2020年3月。原告らの主な主張は、同社が広告や店内の注文掲示板を通じて、ハンバーガーの肉の量などを「大幅に誇張している」というもの。後に修正を加えた訴状では、2017年前後の広告を例に、以前はウェブサイトや店舗メニューで主力商品のワッパーのサイズをより公正に宣伝していたが、同年以降の広告ではハンバーガーのサイズが約35% 増加し、牛肉の量が2倍以上増加していると指摘。それにも関わらず、実際に受け取る商品のサイズは変わっていないと主張している。

訴状より

原告にはフロリダとニューヨーク、イリノイのほか9つの州の居住者が加わっている。それぞれが広告や注文掲示板の画像に基づいて商品を購入したが、受け取ったハンバーガーが期待よりはるかに小さくてがっかりしたと主張。広告よりも小さいとわかっていれば購入しなかったとし、損害賠償と広告の訂正または誇張された商品の提供の中止などを求めている。

バーガーキングは却下を求めた申し立ての中で、広告に登場する食品ができるだけ美味しそうに見えるようにセットされているのは、今も昔も変わらないと指摘。広告を目にする消費者は生来的にそれを知っており、原告らは不当にそうでないふりをしていると反論した。また牛肉の量を明確に表示しているとも説明。ワッパーサンドイッチについて「柔らかいごまパンにジューシーなトマト、新鮮なレタス、クリーミーなマヨネーズ、ケチャップ、シャキシャキしたピクルス、スライスした白玉ねぎをトッピングした、1/4ポンド*の香ばしい直火焼きビーフ」と表示しているとした上で、「原告らは牛肉が4分の1ポンド未満だったとは主張しておらず、主張できない」と述べ、「むしろ、表向きはパティがはみ出しているため、より多くの牛肉を期待していたと主張している」にすぎないと指摘した。

ロイ・アルトマン判事は先週水曜日に下した判決で、企業側の主張を部分的に認め、テレビ広告とオンライン広告が誤解を与えたという主張とバーガーキングが消費者保護法に違反したという訴えを却下することに同意した。一方、法廷は受け取った商品と広告の違いが「理性的な米国の消費者の購買嗜好を変えるほど十分であるかどうか」を判断する立場になく、「消費者自身に委ねたほうがはるかに良いように思える」と述べるなどし、「不当表示」と「契約違反」ならびに「不当利得」の訴えについて訴訟を前に進める判断を下した。

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バーガーキング以外にも、ファストフード店に対する同様の訴訟が複数提起されている。

先月、タコベルを虚偽広告で訴えたニューヨーク在住の男性は、メキシカンピザに入っていた牛肉と豆が予想の半分以下だったと主張した。

今年3月、シカゴ在住の男性は、バッファロー・ワイルド・ウィングスの「骨なしウィング」は手羽先ではなく、非常に安価な鶏の胸肉のささみだとして同社を提訴した。

昨年、マクドナルドとウェンディーズも、チーズバーガーのサイズをめぐって訴えられている。