ビル・ゲイツ 故エプスタインとの親交「大きな過ち」

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マイクロソフトの創設者ビル・ゲイツ氏はNBCの番組「Today」の独占インタビューで、故ジェフリー・エプスタイン元被告と会ったことは「大きな過ち」と述べ、妻の警告に従うべきだったと後悔の念を示した。

エプスタイン元被告が2008年にフロリダで有罪評決を受けたにも関わらず、なぜその後も会い続けたのかと聞かれると、ゲイツ氏は「そもそも会ったことだけでなく、何度も会ったのが、確かに大きな過ちだった」と語った。一方「会うことで、エプスタインが犯した信じられないほどの酷い行いを軽視していることに気がつかなかった」と、当時は重大性を認識していなかったと弁明した。

その後、時間をかけて問題について学んだと述べつつ、「メリンダのアドバイスは適切で、もっと早く従うべきだった」と語った。

ゲイツ氏とエプスタイン元被告との親交が報じられたのは2019年。ニューヨークタイムズは、二人の関係はエプスタイン被告がフロリダで有罪となった後にはじまり、ゲイツ氏が、エプスタインのマンハッタンの自宅を少なくとも3度訪れたことがあると報じた。このうちの少なくとも一回は、夜遅くまで家に滞在していたと伝えている。

元妻メリンダ氏は、3月にCBSの番組インタビューで、エプスタインとゲイツ氏の親交は、離婚に至ったたくさんある原因の一つだとした上で、「彼がジェフリー・エプスタインと会っているのは好きではなかった」と語った。自身も一度会ったことがあると明かし、「あの男がどのような人物か見たかったからであり、ドアに入った瞬間後悔した。忌まわしい人物で、悪の化身だ」と語った。

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ゲイツ氏はインタビュー中、エプスタインと会い続けた理由について「グローバルヘルスのために資金を調達するという目標を持っていた」と語った。

ゲイツ夫妻が離婚を発表したのは昨年5月。それぞれのツイッターで「次の人生の段階において、夫婦としてともに成長できるとは思わない」と述べ、27年間の夫婦生活に終止符を打つことを明らかにした。8月に裁判所によって離婚が正式に承認されたと報じられた。

エプスタイン元被告は数十人の少女にマッサージや性行為をさせたとして、フロリダ州で2007年に起訴された。翌年、連邦検察と司法取引を行い、州で2件の買春勧誘罪を認め、13カ月間服役した。2019年7月には、少女らを性的搾取の目的で人身取引したとして、ニューヨーク南部地区連邦検事局によって逮捕、起訴されたが、勾留中に自殺をはかり死亡した。

ゲイツ氏は2020年にマイクロソフト社の取締役を退任しているが、ウォール・ストリートジャーナルは昨年5月、退任前にゲイツ氏と社員の過去の性的関係について、取締役会による調査が行われていたと報じた。ゲイツ氏の報道官は、取締役の退任と調査の間には関係がないとしつつ、「20年前に不倫関係があったが、友好的に終了した」と不倫の事実を認めている。