「ハンガーゲームのよう」ガザへの食料空中投下めぐりバイデン氏に皮肉の声

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米軍がガザに食料支援を空中投下する様子に、ネットではバイデン大統領に対する皮肉や非難を込めて「ハンガーゲームのよう」といった声が投稿されている。

バイデン大統領は1日、「ガザに流入する援助は十分とは言えない。命がかかっている」と述べ、空中投下の計画を明らかにした。CBSニュースによると、当局者は2日、C-130輸送機3機が豚肉なしの食料3万8,000個分を投下したと説明した。

昨年10月7日のハマスによる襲撃で、イスラエルは1,200人が殺害され、240人が人質に取られた。イスラエルは現在も人質100人が捕らえられたままだとしている。一方、イスラエルの報復により、ガザの死者は3万人を超えると見られている。これに加えて、国連の当局者らは、イスラエルがガザの民間人への援助の流入を「組織的」に妨害しており、人口の4分の1に相当する60万人近くが飢餓の寸前にあると非難している。

SNSには海岸に支援物資をぶらさげた大量のパラシュートが落下する様子がシェアされている。

この様子をみたあるユーザーは「ハンガーゲームの雰囲気だ」とスーザン・コリンズの同名著書をもとにした2012公開の映画と比較。別のユーザーは「空中投下は高価で、配達は時に不正確で不公平な争奪戦に発展して、弱者、高齢者、病人が排除される。21世紀のハンガーゲームだ」と投稿した。

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未来の独裁国家を舞台にした映画では、過去の反逆の戒めとして毎年抽選で選ばれた若者が殺し合いを命じられる。ハンガーゲームの最中、主催者の意向に応じて、特定の参加者に支援物資が銀色のパラシュートに乗せて届けられる。2015年に公開された続編では、政府に反旗を翻した民衆に、支援物資とみせかけた爆弾付きのパラシュートが大量に投下される場面がある。

ネットではこのほか、「自分たちが爆弾を提供したジェノサイドから5ヶ月も経って、不十分な援助パッケージを送って自慢するところを想像してみてほしい」、「あなたの政権は、空中投下支援を送ると同時に、人々を殺害する爆弾と砲弾の流れを止めないことについて、立ち止まって考えたことがあるのか。あなた方は現実世界でハンガーゲームをしている。100万人の子供が閉じ込められているのだ」など、政権の対応を非難する声が投稿されている。