サンディフック小学校銃乱射事件の被害者の遺族が起こした名誉毀損裁判で、5,000万ドル近くの損害賠償の支払いを命じられたアレックス・ジョーンズ。審理では、陰謀論メディア「Infowars」を通じた売り上げは1日80万ドル以上にのぼるなど、陰謀論ビジネスで荒稼ぎをしていたことが示された。

テキサス州の裁判所の陪審は5日、銃乱射事件を「やらせ」と主張しつづけたジョーンズに、事件で6歳の息子を失った遺族に対して懲罰的損害賠償4,520万ドル(約61億円)を支払うよう命じた。前日には、410万ドル(約5億6000万円)の補償的損害賠償の支払いを命じる判断を下した。

この日、証言台に立った法廷経済学者のバーナード・ぺティンギル・ジュニア氏は、陪審団にジョーンズの資産について推定額を提示した。

ぺティンギル氏の評価によると、ジョーンズが所有し、InfoWarsを運営するフリー・スピーチ・システムの2015年から2018年の売り上げは年平均5,320万ドルだった。2018年に大手SNSから「デプラットフォーム」され数百万ドルの収入を失ったと主張していたジョーンズだが、その後も同程度の売り上げを維持し、2021年は6,400万ドルを稼いでいた。

ぺティンギル氏はジョーンズは新たなビジネスを切り開いた「革命児で異端児」であり、さらに「彼はチンギスハンだ」とモンゴル帝国の皇帝になぞらえつつ、「非常に成功した人物」と説明。「ヘイトスピーチと誤情報を拡散、多額の金を稼ぎ、マネタイズした」と語った。

ちなみにジョーンズは、フォロワーらに対して、InfoWar上で販売するサプリ製品などを購入するよう盛んに呼びかけており、ニューヨークタイムズは製品の売り上げが主な収入源であることから、同サイトの定義はメディアではなく、オンラインストアとするのが正確だとしている。

ぺティンギル氏はまた、ジョーンズは昨年、サンディフック関連の別の裁判で欠席判決により名誉毀損の責任を負うものとされたが、この週から1日あたり1万1,000ドルをシェルカンパニーに払い始めていたとも明らかにした。ジョーズンは同企業のマネージャーとして登録されているという。

最後にジョーンズとフリースピーチシステムを合わせると総資産は、1億3,000万ドル(175億円)から2億7,000万ドル(365億円)の間になるだろうと評価を示した。

ジョーンズは審理半ばの先週、フリー・スピーチ・システム社について、連邦破産法11条の適用を申請。さらに200万ドルを超える損害賠償はInfoWarsを「沈没」させることになると主張していた。

ただし、インサイダーはこうしたジョーンズの戦略について、法律専門家らの取材をもとに、損害賠償の全額支払いを免れるものではないだろうと報じている。