客室乗務員が手荷物の収納を手伝うのを拒否、旅客機が空港に引き返す

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アメリカン航空の国際線で18日、機内の手荷物の収納を巡って、乗客と客室乗務員の間でトラブルが発生し、元の空港に引き返す出来事があった。

AA2557便はこの日、ニューヨークのJFK国際空港を出発し、ガイアナのジョージタウンに向かっていた。同社は、地元メディアStabroek Newsに対し、「規律を乱した」乗客がいたためと回答している

一方、トラブルを起こしたとされる乗客のジョエル・ガンシャム(Joel Ghansham)さんは、口論などの問題はなかったと否定している。

ガンシャムさんは、最近手術を受けたことから、高い位置に荷物を持ち上げることができず、客室乗務員に助けを求めたが、拒否されたという。「支払いを受けていないため、それはできないという風だった」と、その時の様子を語っている。ちなみにガンシャムさんは、ビジネスクラスの座席を購入していた。

この出来事の後、別の客室乗務員がやってきて、謝罪をした上、荷物を棚に入れるのを手伝った。

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ガンシャムさんは、機内食のサービスが始まった際、荷物を入れるのを拒否した客室乗務員から、飲み物について尋ねられると、「けっこうです。ウェイターさん」と返事をした。

すると、客室乗務員は「私はウェイターではない」と反論し、「飛行機を引き返す権限を持っている」などと脅したという。ガンシャムさんは、「君は神に違いない。そうするがいい」と告げた。

その後、機長から、ニューヨークに引き返すとアナウンスがあった。空港に到着すると、降機を求められ、警察と運輸保安局の職員から質問を受けたという。その後、解放された。

インタビューでは、客室乗務員とは「言い争いなどしていない」と主張。「妨害もなかった。立ち上がってもいないし、口論もなかった。お互いに触れてもいない。彼はマスクを着用しており、大声を張り上げることもなかった。今回の件は、彼のただのプライドだ」と見解を語った。

この騒動についてSNSには、「詳細は不明だが、1人によって、全員が影響を受ける。暴力沙汰にならないのであれば、現地に到着してから対処すべきだ」「もし乗客の言い分が本当なら、客室乗務員の職権濫用では。・・彼らは状況をデエスカレーションさせるべきだ」など、対応を疑問視する意見が投稿されている。

また、元客室乗務員と名乗るユーザーは「荷物の収納を手伝うのは、われわれの仕事ではないという客室乗務員の指摘は正しい」としつつも、「自分は、乗客への敬意から手伝っていた」と明かした。

“手に追えない”乗客により、引き返したり、別の空港に緊急着陸したりする騒動は、たびたび世間を賑わせている。20日には、サンフランシスコを発ち、台北に向かっていたアメリカン航空の旅客機が、「規律を乱す乗客」によって、出発地に引き返した。

今月9日には、テキサス州からオランダのアムステルダムに向かっていたユナイテッド航空の旅客機が、機内食のメニューを巡り、乗客と客室乗務員が口論となり、シカゴのオヘア空港に緊急着陸した。