NY地下鉄銃乱射事件、犯人は過激主義者?

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ニューヨーク地下鉄銃乱射事件
John Nacion/Shutterstock

ニューヨーク地下鉄の銃乱射事件犯フランク・ジェームズ(Frank James)容疑者(62)が、YouTubeで人種差別的な発言を繰り返していたことを受け、エリック・アダムス市長は「事前に脅威を特定できなかった」としてSNS企業を非難した。

ジェームズ容疑者は12日朝、ブルックリンのサンセットパーク付近を走行中の地下鉄車内で、銃を乱射。30人が負傷した。逃走を図ったが、翌日、イースト・ヴィレッジ付近にいるところを拘束された。

英デイリーメールによると、ジェームズ容疑者は3年間で450本近くの動画を投稿していた。人種問題やメンタルヘルスの問題にたびたび言及したほか、ニューヨーク市のホームレス対策や、地下鉄の安全政策に対する批判を展開。「地下鉄の犯罪は防止できない」などと語っていた。

アダムス市長は13日朝、CNNの番組で「暴力に傾倒した人物の兆候を知っておきながら、放置している」とSNS企業の非を指摘。「事件が起きるのを待つのではなく、先回りし、脅威を特定できなかったのか」と疑問を呈した上で、SNS企業に「何らかの責任がある」と主張した。

アダムス氏は以前からSNS企業の対応に批判的で、今年2月、ブルックリンのラッパーTdott Wooが射殺された際、一部のラップミュージック規制するよう各社に呼びかけていた。

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過激主義者だった?

ニューヨークポスト紙によると、ジェームズ被告は、YouTubeのアカウント「prophetoftruth88」(現在は削除)で、ネーション・オブ・イスラムやブラックパンサーズ、黒人解放軍などのイデオロギーを頻繁にシェアしていた。

「白人と黒人は互いに接触すべきではない」と主張し、先日、連邦最高裁判事に承認されたばかりのケタンジ・ブラウン・ジャクソン氏が白人男性と結婚しているとして、「敵」だと表明するなどした。また、アダムス市長など高等教育を受けた人物や、自身を被害者だと考えていない黒人に対して、自分たちを奴隷扱いした白人の「コピー」などと批判していた。

自身を「メンタルヘルスプログラムの犠牲者」だと主張し、「憎しみと怒り、苦しみでいっぱいだ」と精神医療機関を非難。ある動画では、自分は同性愛者でないために差別されたと明かし、かつては「善良な人物」だったが、「今では、目にするものすべてを殺したい」と、暴力行為に訴える可能性を示していた。

このほか、ウクライナ戦争や気候変動、米同時多発テロ事件の陰謀論など、投稿された内容は多岐に渡っている。