ニューヨーク市では、新型コロナウイルスの検査結果判定に時間がかかっているとして、SNSには市民からの不満が寄せられている。
クオモ知事とデブラシオ市長は、検査は無料で提供しており、定期的に受けるよう住民に推奨している。現在ニューヨーク州では1日7万件前後の検査が行われている。
デブラシオ市長は「検査結果は、48時間以内で受け取ることができる」と発表している。しかし市の広報担当者はニューヨークタイムズに対し、7月上旬の段階で、24時間以内に結果が判明したのは4分の1で、ほかの4分の1については6日以上かかっていたと明かした。
地元メディアのPIX11によると、市民が一般的に利用するウォークインの検査場「CityMD」では、最大2週間の遅れが生じている。
デブラシオ氏は原因に関して、全米で感染が急拡大したことや、経済再開後に検査を受ける人が増加したため、研究施設が混み合っていると述べた。
クオモ知事も、他州の検査数の増加で、クエスト・ダイアグノスティクス(Quest Diagnostics)などの研究施設に過剰な負荷がかかっているとして、対策を講じると会見で語った。
州の戦略に関して公衆衛生の専門家は、研究施設の検査能力を拡大しない限り、遅延が重なり、継続は困難だとタイムズに語っている。秋に学校が再開した場合、さらに検査数が増える可能性がある。保健当局のある担当者は、検査数を制限するよう警鐘を鳴らしている。
市では感染拡大の防止策として、ウイルスに暴露した可能性のある人物を追跡し、連絡を取る「トレーサー」を3,000人雇用しているが、検査結果の遅れにより、これらも機能しない可能性もある。
市保健局委員会の委員長を務めるマーク・レヴァイン(Mark Levine)市議会議員は、検査結果を待つ間に、感染者がウイルスを拡散する可能性に言及しつつ、検査結果の判定にかかる時間は、検査を受ける場所によって異なると加えた。病院は院内に施設を設置しているため、結果はすぐに判明するという。
専門家は結果待ちの間、ウイルスに暴露した前提で行動し、安全対策を講じることが重要だとPIX11に語った。同局は簡易テストや在宅でのテストキットなども利用可能だが、精度と信頼性については、まだ確立されていないと報じている。