ダークウェブで元夫の殺害を依頼した女、ビットコイン36万ドル相当を騙し取られる

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カリフォルニア州の連邦裁判所は17日、元夫を殺害するためにダークウェブで殺し屋を雇ったことを認めたネバダ在住の女に禁錮5年の刑を言い渡した。

刑が確定したのはクリスティ・リン・フェルキンス被告(37)。2016年3月、Besa Mafiaの名で知られるダークウェブのサイトに、当時5,000ドルに相当するビットコイン12枚を送り、殺害を依頼した。フェルキンス被告が用意したビットコインは現時点の価値で約36万ドル(5,000万円)に相当する。

しかし、Besa Mafiaは詐欺サイトで、殺害が実行に移されることはなかった。

裁判所に提出された捜査官が作成した資料には、フェルキンス被告とダークウェブの管理人の間で交わされたやりとりが記されている。

フェルキンス被告が、詐欺だと知らずにBesa Mafiaのアカウントを作成したのは2016年2月末頃。サイト管理者に殺し屋サービスの提供が可能か尋ねた上で、翌月6日から9日にかけて、5,000ドル分のビットコインを送り、元夫を事故と見せかけて殺害するよう依頼した。

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管理者は当初、翌週にも殺害が実行されるとしたものの、元夫の姿が確認できないなどを理由に計画を繰り返し変更。この間、何度も状況を確認するフェルキンス被告に、元夫が1人で出歩かないことから、スナイパー代として追加で4,000ドルを要求するなどしていた。

フェルキンス被告は元夫の移動先を逐一伝えており、途中、元夫の交際相手が巻き添えになっても構わないなどと連絡したこともあった。

フェルキンス被告が痺れを切らしはじめたのは依頼から約20日後の3月28日。「約束通りにできないなら、時間を無駄にするのをやめて、返金してもらって別の方法を考える」と通告した。

4月9日には元夫の居場所として伝えたノース・カロライナ州から、殺し屋に交通標識の写真をとって送るよう要求。現地で撮ったことを証明するために、写真に撮影者の指を写り込ませるよう求めた。

管理者から画像が送られたものの、本物であるはずもない。フェルキンス被告によると「明らかにグーグルストリートビューの画像にフォトショップで指を加えた」だけの代物だった。

両者のやりとりは4月19日を最後に途絶えた。

サクラメント・ビーによると、フェルキンス被告は昨年3月に司法取引に応じて有罪を認めた。17日の法廷で、判事に「自分のしたことをとても後悔しています。正気を失っていました」と反省を述べたという。