ウォール街富豪 女性が名誉毀損、性的暴行で提訴

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元モデルのロシア人女性が、米投資ファンド大手アポロ・グローバル・マネジメントの共同創業者レオン・ブラック(69)氏に対して、名誉毀損や、過去に受けた性的暴行に対する損害賠償を求める訴訟をニューヨーク州の裁判所に提起した。

ガゼル・ガニーヴァ(Guzel Ganieva)氏は、3月17日にツイッターで、ブラック氏から複数年にわたって性的嫌がらせと虐待を受けたと公表。ブラック氏とは、仕事の話をするために2008年に出会ったと述べ「いじめられ、操られ、脅されて強制された。脅しにより、2015年に守秘義務契約に同意させられた」と主張した。

これに対して、レオン氏は、声明で「愚かにも同意に基づく不倫をした」と述べつつ、疑惑は「完全に捏造されたもの」と否定。さらに「ガニエーヴァ氏からゆすりを受けているのが真実」とし「われわれの関係を公にするという彼女の脅しによって、家族が公衆の恥さらしになるのを避けようとして彼女に相当の金銭を支払った」と述べた。

ガニーヴァ氏は、ブラック氏のコメントによって職業および経済的な損害を被ったと主張。訴状ではまた、ブラック氏から、複数年にわたって同意に基づかないサディスティックな性的行為を強制されたとしており、2014年に受けたレイプなどについて詳述した。またブラック氏が、ガニエヴァ氏に多額のローンを用意し、その後、秘密を守る代わりに、ローンを免除するといった守秘義務契約への同意を強要させられたとしている。2015年に同意した後、レオン氏から定期的な支払いを受けているという。

2019年に勾留中に自殺により死亡したジェフリー・エプスタイン被告との過去の取引が明るみに出たブラック氏は、今年3月、当初の予定を早めてアポロ・グローバル・マネジメントのCEOおよび会長職を退いた。

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社外調査では、ブラック氏が2012年から2017年の間、エプスタイン被告にアドバイス料として1億5,800万ドルを支払ったことが判明した。なお調査では、ブラック氏がエプスタイン被告の性犯罪に関与していた証拠は見つからなかった。

ブラック氏の広報担当者は声明で「ガニーヴァ氏のハラスメントとその他の不適切な行為に関する主張は全面的に虚偽だ」と述べている。