アジアパワー全開「クレイジー・リッチ!」全米初登場第1位

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アジア人キャストを起用したワーナーブラザーズのロマンチックコメディ「クレイジー・リッチ!」(Crazy Rich Asians)が、16日北米で劇場公開をスタート。週末の興行収入2,520万ドル(約28億円)を記録し、初登場第1位を獲得した。

メジャースタジオが、登場人物全員をアジア系の俳優を起用したのは、25年前に米国で公開された「ジョイ・ラック・クラブ」(1933)以来となる。ロマンチックコメディ作品としては、過去3年間において最高のオープニング成績を記録した。

映画は、シンガポール系アメリカ人作家ケビン・クワン(Kevin Kwan)による2013年の大ベストセラー小説シリーズ「クレイジー・リッチ・アジアンズ」(Crazy Rich Asians)に着想を得て製作された。小説のファンとアジア系の観客が公開を待ち望んでいた作品だ。
アジア系の俳優を主人公に起用することは、ワーナーにとっても大きな賭けだったという。TIMEによると、プロデューサーは当初、主人公に白人女性の起用を提案していた。製作側は、Netflixとの有利な契約を破棄し、より高い露出を保証したワーナーブラザーズとの製作を決定した経緯がある。

アジア人に高い支持

ワーナーとcomScoreの発表によると、チケットの購入者は41%が白人、38%がアジア系、11%がヒスパニック、アフリカ系アメリカ人が6%、その他4%となる。
アジア人の割合については、これまでに前例のない高い数字だとワーナーは述べており、「クレイジー・リッチ!」は、人種的に多様性のある観客を対象とした「ブラックパンサー」や、「ガールズトリップ」、「ゲットアウト」などに次ぐ成功した作品となっている。
批評家の評判も高く、ロッテントマト(Rotten Tomatoes)では96%のスコア。また、出口調査を行うシネマスコープ(A CinemaScore)ではグレードAを獲得した。

マンハッタンの劇場も週末はソールドアウトが相次ぎ、爆笑を巻き起こした。
Crazy Rich Asians

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ストーリー

ニューヨーク生まれの中国系アメリカ人で、ニューヨーク大学で教鞭をとる経済学者のレイチェル(コンスタンス・ウー)は、長年の恋人ニック(ヘンリー・ゴールディング)とともに、友人の結婚式に参列するため、ニックの生まれ故郷シンガポールへ向かう。機内でニックがアジア有数の富豪の一家の息子だということが判明。ニックを狙う女性たちからの嫉妬や、家系を重んじるニックの家族の反対など様々な問題に直面する。果たして2人の恋の行方は?シンガポールの富豪一族らによる、まさにクレイジーなリッチライフも見所の一つ。

監督は、「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」(Now You See Me 2)や、「ステップ・アップ」シリーズでメガホンをとった、カリフォルニア生まれの若手映画監督、台湾系アメリカ人のジョン・M・チュウ(Jon M. Chu)が担当した。

キャストには、台湾系アメリカ人で、ABCドラマ「Fresh Off the Boat」で主役を務めるコンスタンス・ウー(Constance Wu)ほか、BBCでThe Travel Showの司会を務めるマレーシア系イギリス人のヘンリー・ゴールディング(Henry Golding)、ミシェール・ヨー(Michelle Yeoh)、「オーシャンズ8」にも出演のラッパー、オークワフィナ(Awkwafina)、コメディアンや医師として活躍するケン・チョン(Ken Jeong)、ジェマ・チャン(Gemma Chan)、ジミー・O・ヤン(Jimmy O. Yang)ほか。

2018年9月28日(金)より全国公開。

関連情報

公開から1週間経たずして、続編製作の声が上がっている。実現の場合は、オリジナルスタッフとキャストが再結成するという。

「クレイジー・リッチ!」早くも続編製作への動き