「阻止するためになんでもする」日本製鉄のUSスチール買収に米議員が猛反発

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日本製鉄によるUSスチールの買収発表を受け、地元選出の上院議員が反対の声を上げた。

ペンシルベニア州選出のジョン・フェッターマン議員は18日、同社のプラントを背景に自宅屋上から撮影した動画をXに投稿。「彼らが外国に身売りをするのはとんでもない」と非難し、「スチールは常に安全保障に関わることだ。これを阻止するために私のプラットフォームと立場を使ってなんでもするつもりだ」と語った。「鉄鋼労働者と労働組合の生活のために戦う」と加えた。

フェッターマン議員は、2022年中間選挙でトランプ氏がエンドースした「ドクター・オズ」ことメフメット・オズ氏を破り、初当選を果たした。プログレッシブでポピュリストと評され、選挙戦では刑事司法制度改革やLGBTQ権利の保護、クリーンエネルギー推進、国民皆保険、組合保護の方針を掲げた。

ただし最近では、イスラエルへの強固な支持や移民法改革で共和党との対話に意欲を示したことで、支持者の批判を招いた。先日、自分はプログレッシブではないと立場を宣言しており、ネットでは「フェッターマン 2.0」などと呼ばれている。

日本製鉄は18日、1901年設立のUSスチールとの間で買収が合意に至ったと発表した。12月5日の終値に40%のプレミア価格を加えた一株55ドルで全株取得する計画で、140億ドルを超える大型買収になる。買収の実行は、USスチールの株主総会や関係当局で承認が得られることを前提に進めるとしている。

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同じくペンシルベニア選出のボブ・ケイシー上院議員(民主党)は声明で、USスチールは「アメリカのオーナーシップ」に置くべきと主張。「最初の報道では、これはペンシルベニアとその労働者たちにとって悪い取引のようだ」「何世代にもわたりペンシルベニアの家族を支えてきた鉄鋼労働者や労働組合の働き、州への長期的な投資、アメリカの産業界におけるリーダーシップに何を意味するのか懸念している」と警戒感を示した。