大麻に酔っ払い、けんか、全米オープンテニスがカオス

164

開放的な雰囲気が醍醐味の全米オープンテニスだが、最近の観客のマナーについて「度がすぎる」と指摘する声が相次いでいる。

毎年観戦に訪れるというマンハッタン在住の男性は、ニューヨークポスト紙に「野生児化している」「手に追えない田舎者のよう」などと語っている。

同紙によると、今年の大会は、泥酔し警備員に連れ出される客、最前列でポケモンGOで遊ぶ若者、ウォッカの小さなボトルを持ち込み、空になったプラスチック製のコップに注ぐ女性の姿などが目撃されている。ココ・ガウフ選手(米国)の第1戦は、「絶え間ない騒々しさ」に包まれていたという。

昨年引退を表明したセルビア人プレーヤー、ビクトル・トロイツキ氏と観客の間で口論も発生した。トロイツキ氏が、騒がしい観客に静かにするよう注意すると、逆ギレ。「このクラウンめ」「ここはセルビアじゃない、ニューヨークだぞ」などと暴言をはいたという。

この様子はSNSで拡散され、「なんたる無礼者」「最悪」「フットボールやホッケーならアリだけど、テニスでは普通じゃない」などの声が上がった。

Advertisement

選手からもクレーム

準々決勝に駒を進めたフランシス・ティアフォー選手(米)はタイム誌に、「7割の客は、ただ酔っ払っているだけ」と指摘。酒の提供をやめない限り、2万人以上の観客をコントロールするのは不可能と語っている。

第3シードのダニール・メドベデフ選手(ロシア)はサーブの最中、座席に戻ろうとした客にブチギレ。観客席に向かって「静かにしてくんない?バカか何かなの?」と怒鳴りつけた

メドベデフのコーチを務めるジル・セルバラ氏も、「アームストロングスタジアム、いつもの様子(笑)ハート絵文字」とキャプションをつけ、試合そっちのけでしゃべり続ける観客をインスタグラムに投稿した

第12シードのアレクサンダー・ズベレフ選手(ドイツ)は会見で、至る場所でマリファナの匂いがすると述べ、「第17コートは、スヌープ・ドッグのリビングのようだった」と冗談めかして語った。

ニック・キリオス選手(オーストラリア)は昨年、客席からマリファナの匂いがすると激怒。試合を中断し、審判に注意するよう求めた。

ニューヨーク州では2021年、嗜好用マリファナが合法化されたが、公園やスポーツ施設などタバコが禁じられている公共の場では、マリファナの使用も禁止されている。

そもそも試合を観に来ているわけではないといった意見も。ある人物はポスト紙に、みな食べ物や「ハニー・デュース」(グレイグースを使用したUSオープンのオリジナル・カクテル)をお目当てに来ていると説明。「全米オープンはエネルギーに溢れていて、1日過ごすにはハニー・デュースが2、3杯必要」と語っている。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。