「死んでしまう」猛暑に選手から悲鳴、全米オープンテニス

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ニューヨークに到達した熱波に対し、全米オープンに出場している選手から悲鳴が上がっている。

6日の最高気温は、35度に達すると予想されていた。この日午後に行われた男子シングルス準々決勝では、ダニル・メドベデフ選手(ロシア)とアンドレイ・ルブレフ選手(ロシア)が、アーサー・アッシュ・スタジアムで対決した。

ストレートな物言いで知られるメドベデフは第3セット中、タオルを置く際、カメラに向かい「プレーヤーが死ぬのを目の当たりにするぞ」と呟き、プレーに戻る様子が話題となった。

この試合で2回のメディカルタイムアウトを取得したメドベデフは、試合中めまいを感じ「第1セット終盤には、ボールが見えなかった」と振り返った。対戦相手で友人のルブレフを見ると「彼ももうこれ以上走れないといった様子」だったという。

猛暑の中で行われた準々決勝。メドベデフは6-4, 6-3, 6-4のストレートで、ルブレフを下し準決勝に進出した。

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5日の気温は32度に達し、湿度は50%を超えた。この日、全米オープンで初めて「猛暑ポリシー」が実行され、雨天時に使用される開閉式の屋根が、日除けのために部分的に閉じられた。

選手のベンチには、水だけでなく、大量の氷が入ったビニール袋やタオル、冷気が出るパイプが設置されるなど熱中症対策が取られているという。

この日、ノバク・ジョコビッチ選手と対戦し敗退したテイラー・フリッツ選手(米)は試合後、「暑さは気にならないものの、湿度で体力が消耗する」と語っている。

AP通信の調査によると、四大大会中の体感気温はこの10年間で着実に上昇しており、全米オープンが最も高い。

全米や全豪で採用されているハードコートは、芝生やクレーコートよりも熱を吸収しやすく、体感温度は実際の気温より8度ほど高く感じるという。

コロンビア大学の気候科学者ダニエル・ベイダー氏は、ニューヨーク市内の気温は今後も上昇し続ける傾向にあると語っている。