「ワシントンとリンカーンの次は俺」トランプの自画自賛に冷ややかな反応

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Philip Yabut / Shutterstock.com

20日に開催された保守派のビジネスリーダーが集う米コーナーストーン・インスティテュートの晩餐会で、トランプ大統領は歴代で3本の指に入る指導者に位置づけられると誇らしげに語った。

約1時間にわたる演説の中で、関税による歳入の増加、海外の紛争解決、不法移民の削減、軍隊を用いた首都での犯罪撲滅など、自政権の取り組みをアピール。自身のアメリカ・ファースト政策はジョージ・ワシントンさえうらやむと得意げに語った。

「ジョージ・ワシントンは(生きていれば)われわれに投票しただろう」と言い放つと、「私を歴代大統領の中で3番目にランク付けした男がいる」と主張。『彼は、ジョージ・ワシントンとアブラハム・リンカーン、そしてドナルド・トランプだと言ったんだ。私は彼がとても好きだと言ったのだ』と胸を張った。もちろん、その「男」が誰なのかは最後まで秘密のまま。

この発言にネットはすかさず反応。ジョークや批判が飛び交った。
「ワシントンなら彼を絞首刑にしただろう」
「妄想だね」
「ジョージ・ワシントンなら彼は副大統領にすら任命されなかっただろう…」
「この男は検証不可能な”事実”とやらをでっち上げるのが大好きで、それが全てだ」
「トランプは本気の学者たちによって最下位に選ばれてるんだが」
「誰かがトランプに、ワシントンの退任演説を、観衆とカメラの前で読ませるべき」

なお、229年前の1796年に書かれた退任演説の草稿でワシントンは、党派対立が民主的共和政の健全な運営を蝕み、他国の干渉や最終的に専制政府の台頭を招く危険を警告している。

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自己評価はさておいても、専門家の評価は厳しい。

昨年のアメリカ政治学会(APSA)の専門家154名による調査では、トランプは最下位(45位)を獲得。宿敵バイデンは14位と上位にランクインした。

各大統領に0から100までの点数をつけるというもので、1位はエイブラハム・リンカーンが平均93.87点でトップ。2位はフランクリン・D・ルーズベルト(90.83)、3位がジョージ・ワシントン(90.32)だった。

トランプの獲得点数はわずか10.92。比較されることの多いニクソン第37代大統領は36.41ポイントで35位に滑り込んだ。

歴代大統領との比較はトランプが好むトピックの一つで、1期目は自身をリンカーンに次ぐ2番目に位置づけ、支持者らに「偉大な故エイブラハム・リンカーンを除けば、私は歴代大統領の中で最も大統領らしい人物だ」と豪語している。