トランプ流錬金術 巨額の訴訟費用に直面するトランプ氏の新ビジネスの数々

146

先日、ニューヨーク州の詐欺訴訟で裁判所から約3.55億ドル(530億円)の超巨額の支払いを命じられたトランプ前大統領。別の訴訟と合わせると、支払い費用は5億ドルを超える上に、今後も様々な裁判が控えており、訴訟費用がますます膨らむことが予想される。

支払いに必要な現金を賄うために主たるビジネスである不動産の一部を売却する可能性も取り沙汰されているが、一方で、不動産王からテレビの有名人、大統領まで上り詰めたトランプ氏は、退任後もトランプブランドを使った様々なビジネスを展開している。

スニーカー販売

ニューヨーク州の判決の翌日、トランプ氏はフィラデルフィアで開催された「地球上で最高のスニーカーショー」と謳う「Sneaker Con」に姿を現し、初のトランプ公認スニーカーを披露した

この日にトランプ氏が”ドロップ”したのは、「THE NEVER SURRENDER HIGH-TOP SNEAKER」と名付けたゴールドに星条旗、「T」のロゴをあしらったデザイン。価格は399ドで、予約販売サイトでは限定1,000足がすでに完売している。このほかにも赤色の「T-Red Wave」と白色の「Potus」スニーカーを199ドルで販売しており、こちらはまだ予約受付中のようだ。

トランプ氏にどれほどの収益が入るのか不明だが、サイトによると、製品の商標は「CIC Ventures LLC」に属しており、「トランプスニーカーは、ドナルド・J・トランプ、トランプ・オーガニゼーション、またはそれらの関連会社や主要関係者によって設計、製造、流通、販売されているものではない」と但し書きがある。さらに「45Footwear, LLCは、ライセンス契約のもとでトランプの名前、肖像、類似性を使用している」とも加えられている。

Advertisement
ドナルド・トランプ

NFTトレーディングカード

2022年12月に「重大発表」があるともったいぶって予告した上で、自身のイラストが描かれたNFTトレーディングカードシリーズを一枚99ドルでリリースした。限定4万5,000枚が数時間で完売し、450万ドル近い収益を生み出した。

この成功を受けて2023年4月に第2弾をリリースした。こちらも4万7000枚が即日完売したと報じられた。販売元との契約内容は不明だが、AP通信によると、トランプ氏は昨年トレカで得た収益を10万ドルから100万ドルと報告している。

写真集販売

退任から約1年後、在任中に撮られた写真300点を収めた写真集「Our Journey Togethe」を発売した。定価は75ドル、サイン入り230ドルに設定され、当時、出版契約に数百万ドルの前払いが含まれていると報じられた。

フォーブスによると、トランプ氏は発売後1年半で575万ドルのロイヤリティ収入を得たという。写真はホワイトハウスのカメラマンが撮影したもので、パブリックドメインのものだが、本の中ではトランプ氏によるキャプションが加えられている。

講演

元大統領ともなれば講演収入も相当なようだ。

CNNの昨年の報道によれば、ニュージャージー州のベッドミンスターとフロリダのパーム・ビーチで開催された2つの会合「Universal Peace Federation World Summits」で行ったスピーチで、トランプ氏に200万ドルが支払われた。 主催団体は統一教会の教祖、故文鮮明氏とその妻の韓鶴子氏によって設立されている。

2021年9月にフロリダのハードロックホテルで開催された元ヘビー級王者イベンダー・ホリフィールドとUFC元王者ビトー・ベウフォートの試合では、ゲスト解説に招かれたが、この時の契約金は250万ドルだったという。

なお、他の大統領の講演価格はトランプ氏に及ばない。Axiosは2017年の記事で、ビル・クリントン氏が25万ドル、ジョージ・W・ブッシュ氏が20万ドル、オバマ氏でも40万ドルと伝えている。

トランプ支持者のクラファン

ニューヨーク州の判決が下った翌日、トランプ氏の「熱烈なサポーター」を名乗る母親によって、GoFundMeのクラウドファンディングキャンペーンが立ち上げられた。

単なる法的資金ではなく、トランプ氏に連帯を示し、「我が共和国の基盤を脅かすシステム」に対抗するためと主張する募金活動には、2日間で7千人から35万ドルが集まった。

これに加えて、集金力で他の候補を圧倒するトランプ氏は、自身の政治活動委員会に集まった資金から、昨年は法的関連費用として50万ドルを費やしている。ただし、選挙資金を私的に流用するのは違法とされ、専門家は、今回の判決の支払いに当てるのは不可能だとの見解を示している。

Truth Social

先日、トランプ氏が設立し、Truth Socialを運営するトランプメディア・アンド・テクノロジーグループ(TMTG)と特別買収目的会社デジタル・ワールド・アクイジション(DWAC)の合併提案について、規制当局から承認が得られたと報じられた。CBSニュースは、合併が完了するとトランプ氏は合併後の会社の69%の株式を所有することになり、持株は最大で39億5000万ドルの価値になる可能性があると伝えている。

商魂のたくましさでは右に出るものがないトランプ氏。必要に迫られてかどうかはさておき、大統領選と並行して、商売にも余念がないようだ。