トランプ政権 ニューヨーク州住民のグローバルエントリー登録を停止。不法移民への運転免許証発行法巡り

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米国土安全保障省は、空港の入国手続きを迅速化するグローバル・エントリーを含むTRUSTED TRAVELER制度(TTP)について、ニューヨーク州居住者に制度の利用資格を与えない方針を発表した。

同省はニューヨーク州車両管理局に宛てた書簡で、方針の変更理由について、州のグリーンライト法によって車両管理局の記録にアクセスができなくなったとし、「TTP申請者または再申請者が資格要件を満たしているか判断ができなくなった」と説明した。

グリーンライト法は市民権や在留資格に関わらず、16歳以上の住民に標準の運転免許証の申請を可能とするもので、昨年12月から施行がスタートした。新法では、不法滞在者の運転免許取得を可能にする一方、政府機関とのデータ共有を制限する様々なプライバシー保護が規定されている。

同省はグリーライト法について、「国家の安全を保つ」ために重要な州車両管理局の記録に、税関・国境警備局(CBP)と移民税関捜査局(ICE)がアクセスすることを不可能にしていると主張。これまで、CBPは車両管理局の記録をTTPやその他の制度の資格の検討に利用しており、ICEは、犯罪歴の参照や対象者の特定、逮捕状の取得、犯罪ネットワークの解明などに利用してきたという。

TTP制度には、米国入国審査を迅速化するグローバル・エントリー、米国とカナダ間の国境通過を簡素化するNEXUS、メキシコとカナダ国境の入出国管理に適用するSENTRIに加え、商用トラックの入出国手続きを迅速化するFASTが含まれる。

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NBCはグローバル・エントリーのメリットについて、空港で列に並ぶことなく、ペーパーワークなしで税関を迅速に通過できると説明している。

トランプ大統領は4日の一般教書演説で、ニューヨーク州のサンクチュアリ政策を批判していた。今回の決定に対し、アンドリュー・クオモ州知事はラジオのインタビューで、「政治的スタント」と非難。「政府の政策や法の実行と全く関係がない」と述べるなど、政治的動機によるものと見解を述べた。知事室は現在、法的対応を検討しているという。