トランプ大統領 国勢調査の市民権の質問追加を断念

トランプ大統領は11日の会見で、2020年の国勢調査について、市民権の有無に関する質問の追加を断念したことを表明。同時に、新たな大統領令により、すべての政府機関から商務省に対して市民と非市民の人数に関する記録の提出を求めると発表した。

連邦最高裁は先月28日、商務長官の論拠が不十分だとして、当面は市民権の追加を認めないと判断を下した。判定を受け、商務省と司法省では2日、質問を含めずに準備することを発表したが、翌朝、トランプ大統領が質問追加を強硬に進める意向をツイート。司法省は、再度方針を転換し、質問追加を追求することを表明していた。

会見には、ウィルバー・ロス商務長官とウィリアム・バー司法長官も同席した。トランプ大統領は冒頭「私は、人口の市民権に関する状況を把握する取り組みを後退させないことを告げるために来た」と、語った。

信頼のおける人数の把握は「ヘルスケアから教育、市民権、移民問題など、健全な公共政策に不可欠だ」と強調する一方、「急進左翼の民主党が不法移民の数を隠そうと決意しているのだ」と非難。「誰も思いつかないほど、途方もない人数であることを知っているから、彼らはとても激しく対抗してくるのだろう」と語った。

10年に一度の国勢調査の結果は、連邦政府予算の配分、議席数や選挙人団の割り当てに使用される。米国に住む全ての人を調査対象とすることを義務付けているが、反対派は、質問追加により不法移民や市民権のない住人が回答を控えるため、正確な人口把握につながらないと主張している。

ロス長官は昨年3月、市民権の質問は投票権法の適切な執行のために必要であると主張し、市民権の有無を加えることを発表した。これに対し、ニューヨーク州含む17州が異議を唱え、昨年4月に政府を提訴していた。The Hillによると、最高裁に到達するまで、3つの連邦裁判所で審議が繰り広げられた。

質問追加を断念せざるを得なかったことは、移民政策で強硬姿勢をアピールする政権にとって後退の印象を与えるものとなる。大統領就任後に二人の判事を送りこんだ最高裁における6月の判断は、保守派のジョン・ロバーツ主席判事が反対に回ったことで驚きをもって迎えられた。

会見の日の午前、移民税関捜査局(ICE)が、不法移民の一斉摘発を日曜日から開始することを、ニューヨークタイムズが報じた。