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トム・フォード「ハウス・オブ・グッチ」は残念な映画

イタリアのラグジュアリーブランド「GUCCI」創業者の孫、マウリツィオの暗殺事件を描いた映画「ハウス・オブ・グッチ」が先週公開され、ファッションデザイナーで映画監督としても活躍するトム・フォードが、ウェブ週刊誌「Air Mail」に辛口のコメントを寄せた。

同作品では、俳優のアダム・ドライバーがマウリツィオ・グッチを、マウリツィオの暗殺を計画した妻のパトリツィアを歌手のレディー・ガガが演じた。監督は「グラディエーター」のリドリー・スコット。このほか、アル・パチーノが叔父のアルド・グッチ役、ジャレッド・レトが従兄弟のパオロ・グッチを演じるなど、豪華キャストも話題となっている。

トムフォード
トム・フォード氏(Andrea Raffin / Shutterstock.com)

GUCCIの元クリエイティブ・ディレクターだったフォードは、実際にマウリツィオとも仕事をしており、内情を知っていることから「自分の意見は偏っているかもしれない」と断りつつ、「茶番だったのか、強欲を描いた物語だったのか。何度か大声で笑ってしまったけど、それで良かったのかな」と皮肉を述べた。

マウリツィオは1995年、ミラノで頭などを撃たれて死亡。暗殺を計画したのはマウリツィオの妻、パトリツィア・レッジアーニだった。銃撃が起きたのは、フォードのオフィスのすぐ近くだったという。

「血なまぐさい事件にユーモアと滑稽さを交えた描き方は、見ていて辛かった。現実には滑稽さなど一切なかった」と述べ、観賞後、数日は悲しみに暮れていたと明かした。

一方、「ガガは、映画の真のスターだ」と称賛。「演技はぴったりハマっている。誰も彼女から目を離せなくなる」と述べ、「ベテランと才気溢れるキャストが鑑賞者の注意を惹こうとする中で、画面を我が物にするのは容易ではない」と綴った。イタリアなまりの英語が、ロシア風だと批判を受けていることについて「誰が気にするものか」と擁護した。

アダム・ドライバーのマウリツィオについて、周りの俳優がシーンを独占できるか競い合っている間、「控えめで深みのある演技」と評価した。

コントのよう

ただし、アル・パチーノとジャレッド・レトら大物俳優が演じるシーンは、「サタデーナイトライブ版の話を見ているんじゃないかと思った」と厳しい言葉を送った。

パオロ・グッチは、確かに風変わりだったと振り返りつつ、「レトが演じた、狂っていて、精神的に問題を抱えたようなキャラクターではなかった」と説明。「レトの俳優としての輝きは、文字通り特殊メイクの下に埋もれてしまった」と、落胆を述べた。

この一方、才能を否定されたパオロが、グレース公妃のためにデザインされたグッチのフローラスカーフに小便をするシーンは、「最高の一節だ」と評価。自身にも、スカーフの再来を期待する声が常につきまとっていたと明かし、「自分がいつもやりたかったことだ」と共感を示した。

作品には、俳優陣に演じる機会を与えること自体が目的とも捉えられる「鑑賞者に無意味で、混乱を与える」シーンがあったと述べ、「状況が異なれば、これらのシーンがお払い箱だったのは間違いない」と指摘。映画は、主要キャラクターの人物像を形作る時間に乏しく、「観る者は、愛着や共感をほとんど抱くこともない。結果的に、悲しいことだが、誰にも感情移入できないストーリーだ」と記した。

ヒットに太鼓判

辛口な言葉を並べつつ、最後には「ガガとドライバーの力強い演技、キャスト全体の限界を超えた描写、非の打ちどころのない衣装、見事なセット、美しいシネマトグラフィーで、映画はヒットすると思う」と締め括った。

なおサンクスギビングデーの週末に公開された「ハウス・オブ・グッチ」の5日間の興行収入は、2,180万ドルで、初登場3位だった。
ディズニーの長編アニメ「ミラベルと魔法だらけの家」(Encanto)が1位(4,030万ドル)、公開2週目の「ゴーストバスターズ/アフターライフ」(3,530万ドル)が2位だった。

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