アメリカ人「プライド」を喪失?米世論調査

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全国の有権者を対象にしたFOXニュースの世論調査では、アメリカ人の過半数が今の国家に誇りを抱いていないことがわかった。

調査は6月10日~13日に、ランダムに選ばれた全国の有権者1,002人に電話インタビューで実施された。誤差幅は±3ポイント。

「今日の国家を誇りに思っているか」との質問に、39%が「はい」、56%が「いいえ」と答えた。調査の実施回数は今回を含めて4回と少ないものの、2011年の開始以来初めて「はい」と「いいえ」が逆転した。

(FOX NEWS)

2017年は「はい」51%、「いいえ」45%だった。初回の2011年は「はい」69%、「いいえ」28%だった。

支持政党別では、共和党と無党派層で逆転がみられた。トランプ政権下の2017年は、共和党支持者と無党派の間で、「誇りあり」が「なし」をそれぞれ31ポイント、4ポイント上回っていたが、今回は、「誇りがなし」が24ポイント(共和党)、35ポイント(無党派)上回る結果となった。

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民主党支持者は前回、「誇りなし」が「あり」を17%上回っていたが、今回は差が2ポイントに縮小。「はい」が46%、「いいえ」が48%だった。

性別では、男性で意見が逆転。前回は22ポイント差で「誇りあり」が優勢だったが、今回は、「誇りなし」が14ポイント上回った。女性では不満足の傾向が高まり、誇りの有無の差は前回の9ポイントから21ポイントに拡大した。

黒人有権者では、「誇りなし」が高い傾向にあるが、「誇りあり」との差は、2017年の28ポイントに比べて9ポイントに縮小。ヒスパニックの有権者間では、前回は「誇りあり」が「なし」を18%上回っていたが、今回は逆転し、「誇りなし」が24ポイントリードする結果となった。

調査担当者は「多くの人々にとって誇りや愛国心は、民主主義的自由に対するものではなく、ホワイトハウスにいる人物に関するもののようだ」と指摘。誇りの有無の決定要因は、支持政党が政権にあるかどうかに依存するとの考えを示した。

これとは別に、ギャラップが先月、「アメリカ人としてどれほど誇りに思っているか」を調査したところ、「極めて誇りに思う」の割合が38%で、2001年の調査以来最低の水準になった。

ただし、「とても誇りに思う」27%と合わせると65%を占め、減少傾向にあるが、大多数が強く誇りを抱いていることが示された。「極めて誇りに思う」は、イラク戦争が開始された2003年の70%を頂点に下降を続け、2018年に初めて過半数を下回った。