米世論調査「ワクチン接種する」は半数以下。人種間で隔たり

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AP通信とNORCが9日に発表したワクチンの接種に関する世論調査では、米国人の成人で接種すると回答したのは47%だった。「接種しない」26%、「分からない」27%だった。

年齢別では、60歳以上の62%が接種すると回答。45歳以下は36%だった。人種別では、白人の53%が接種すると答えた。黒人は24%、ヒスパニックが34%だった。支持政党別では、民主党員60%に対し、共和党員は40%だった。

調査は12月3日から7日、1,117人の米国人の成人に対して実施された。誤差率はプラスマイナス3.9ポイント。

接種しない理由で最も多いのは、副作用への懸念(71%)だった。このほか、開発・承認プロセス(57%)、ワクチンを接種することで感染することへの懸念(37%)、コロナは深刻な病気を引き起こす心配がない(16%)、ワクチンは効かない(15%)、注射が嫌い(5%)などの理由が上がっている。

接種しない人の75%は「決意は固まっている」と述べ、25%は変わる可能性あると回答している。

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ワクチンが驚くべき速さで完成したことに対する戸惑いや、「ファウチ博士が良いと言ったら接種する」という回答も寄せられた。
ファウチ博士に対しては48%が、大いに/かなり信頼しているが、トランプ氏に対する信頼度は16%だった。

1日あたりの死者数3,000人超え

米国では9日、1日あたりの新型コロナウイルスによる死者数が、初めて3,000人を超えた。現在ファイザーとモデルナが米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請している。ともに臨床試験での予防効果は90%以上となっている。早ければ12日までにFDAが承認し、13日より接種を開始する可能性がある。

AP通信によると、今回の調査結果は、5月に実施したものとあまり変化がなかったという。専門家は集団免疫を獲得するためには、人口の70%が接種する必要があると推定しており、ワクチンへの懐疑論が妨げになる可能性があると指摘している。

ニューヨーク市保健局が10月上旬に実施した調査では、ワクチンを接種すると回答したのは52.6%だった。20%は接種しない、27%は分からないと回答した。人種別では、有色人種が接種を希望しない割合が高い傾向にあるため、市保健局長は、特に黒人のコミュニティで、ワクチンへの信頼性を高めることが重要だと語っている。