NY市 コロナ時代の屋外ダイニング 恒久的に継続へ、法案が通過

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パンデミック時の緊急対策として始まり、今では街の風景として定着した感のある車道の屋外飲食スペース。ニューヨーク市議会で、設置を恒久的に可能にする法案が通過した。

屋外飲食施設の許可をめぐっては、以前から議論が続いている。飲食店側はプログラムの継続を求める一方で、コミュニティからは衛生面や騒音、治安、駐車スペースが減少するとして、反対する声が上がっていた。

エリック・アダムス市長は、5日に一度のペースで緊急行政命令を更新しプログラムを維持してきたが、今月2日、ニューヨーク裁判所の判事は、こうした命令に「合理的な正当性」はなしとの判断を下していた。

ビル・デブラシオ前ニューヨーク市長の時代から数えると、プログラムの継続のために発行した行政命令は226回に上るという。

ニューヨークタイムズによると、これとほぼ時を同じくして通過した法案は、今後新たに創設するライセンスシステムとガイドラインの下で継続設置を認める内容。ただし従来と異なり、設置期間は3月~11月に限定される。さらに場所と面積に応じた料金の支払いが求められる。125ストリート以南では料金が高くなるという。

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一部のレストランからは、冬の間の従業員を減らさなくてはならないとして反対する声や、参加費や施設を撤去し保管するため費用をめぐって不満の声が上がっているという。

プログラムの導入初期は簡易な施設が多かったものの、客から好評であることから、現在はデザインに凝ったものや個室風のものなど工夫を凝らした設備も多い。

現在、屋外飲食プログラムに参加する飲食店は1万2,000軒にまで増加しているが、法案が施行されると縮小が予想される。タイムズは、パリでは同様の政策転換によって、こうしたプログラムに参加する飲食店が1万2,000軒から4,000軒に減少したと指摘している。

アダムス市長は法案を支持しており、署名するものとみられている。

木曜日の会見で「屋外ダイニングはニューヨーク市に定着している。数十年におよぶ検討と一時的なプログラムによって可能性が示されている」とした上で、「ニューヨーカーと5つの区を訪れるすべての人々に優れた常設屋外ダイニングを提供する政権を率いることを誇りに思う」と語った。